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口内炎が治らないときの受診の目安|2週間を超えたら疑うこと

口内炎が治らないとき、まず確認していただきたいのは「何日目か」です。一般的なアフタ性口内炎は、およそ7〜14日で自然に治ります。逆にいえば、2週間を超えても消えない口内炎は、口内炎ではない別のものである可能性があります。

「そのうち治るだろう」と思いながら1か月が過ぎてしまった、いつも同じ場所にできる、痛みはないのに白いものが残っている——こうしたご相談は、いなべ市のハギノ歯科でも少なくありません。

この記事では、治るまでの期間・痛みの有無・こすって取れるかどうかという3つの手がかりから、様子を見てよいものと受診したほうがよいものを見分ける方法を整理します。多くの場合は心配のないものですが、「痛くないから大丈夫」とは限らない点だけは、先にお伝えしておきます。

まず確認|その口内炎は何日目ですか?

口内炎が治らないという不安に対して、もっとも判断材料になるのが経過した日数です。日数ごとの目安を整理しました。

経過日数考えられる状態対応の目安
1〜7日アフタ性口内炎の経過として自然。痛みのピークは2〜3日目ごろ様子を見てよい時期です
8〜14日治りかけていれば正常範囲。縮小していれば問題ありません小さくなっているかを確認
2週間以上通常の口内炎の経過から外れています。別の原因を考えます歯科医院での確認をおすすめします
1か月以上口内炎以外の病変である可能性が高くなります早めにご受診ください

「2週間」が目安になる理由

アフタ性口内炎は、粘膜の浅い層にできる傷です。粘膜は体の中でも新陳代謝が速い組織のため、原因が取り除かれていれば2週間ほどで置き換わって治ります。それを超えて残っているということは、①治りを妨げ続けている原因があるか、②そもそも口内炎ではないかのどちらかだ、と考えるわけです。

なお、日数を数えるときは「同じ場所の、同じ1つが」続いているかを見てください。別の場所に次々とできる場合は「治らない」ではなく「繰り返している」で、原因の考え方が変わります。

2週間以上治らないとき、何が考えられるか

口内炎が治らない場合に考えられるものを、頻度の高い順に整理しました。上の3つが大多数を占めます。

1. 外傷性潰瘍(歯や詰め物が当たり続けている)

もっとも多い原因です。欠けた歯の尖った部分、外れかけた詰め物、合わなくなった入れ歯のふちなどが同じ場所に当たり続けると、傷が治る前にまた傷つけられるため、いつまでも治りません。

見分け方は簡単で、いつも同じ場所にでき、その真横に当たっている歯や被せ物があるのが特徴です。原因を取り除けば1〜2週間で治ります。詰め物・被せ物が取れたまま放置している場合は、この形で口内炎が長引きます。

2. 口腔カンジダ症(真菌によるもの)

口の中の常在菌であるカンジダが増えた状態です。白い苔のようなものが広がり、ガーゼでこすると取れて、その下が赤くただれているのが特徴です。体調不良・抗菌薬の服用後・入れ歯の清掃不足・ドライマウスなどが背景にあります。

痛みよりも「ヒリヒリする」「味がおかしい」と感じることが多く、舌が白い状態と見た目が似ています。抗真菌薬で治療できます。

3. 全身の要因による再発性アフタ

同じ場所が治らないというより次々と繰り返すタイプです。鉄・ビタミンB12・葉酸の不足、睡眠不足やストレス、胃腸の不調などが関係します。口内炎に加えて目の症状・皮膚の発疹・陰部の潰瘍を伴う場合は、ベーチェット病など全身の病気が背景にあることもあり、内科との連携が必要になります。

4. 白板症(こすっても取れない白い病変)

こすっても取れない、板状・斑状の白い部分です。痛みがないことが多く、本人が気づかないまま経過することもあります。前がん病変に位置づけられており、経過観察や、必要に応じて詳しい検査を行います。歯ぐきにできる白いできものとしても現れます。

5. 口腔がん

頻度としてはまれですが、2週間以上治らない潰瘍という条件で受診をおすすめしているのは、この可能性を早い段階で除外するためです。硬いしこりを触れる・出血しやすい・辺縁が不整・急に大きくなるといった特徴があります。

重要なのは、初期には痛みが乏しいことが多いという点です。「痛くないから軽い」という判断が、発見を遅らせる要因になります。

国立がん研究センター「がん情報サービス」も、口腔がんの症状として「なかなか治らない口内炎」を挙げ、症状が続く場合の受診をすすめています(国立がん研究センター がん情報サービス「口腔がん」)。同ページでは、気になる症状があるときは歯科口腔外科などを早めに受診することが大切だとされています。2週間という目安は、この「早く見つける」ための線引きだとお考えください。

「痛くない」ほうが要注意|4つの見分けサイン

多くの方が「痛みが強いほど悪い」と考えていらっしゃいますが、口の中の病変については、この直感が逆に働きます。強い痛みを伴うアフタ性口内炎は自然に治るものが大半で、放置してはいけないものは「痛くない」側に集まっています。

確認する点様子を見てよい傾向受診をおすすめする傾向
痛み触るとしみる、食事でしみる痛みがない・気づいたら出来ていた
硬さやわらかく、周囲となじんでいる硬いしこりとして触れる
白い部分ガーゼでこすると取れるこすっても取れない
経過日ごとに小さくなっている2週間以上変わらない・大きくなる

4つのうち1つでも右側に当てはまるとき

その場で判断せず、一度確認を受けてください。ほとんどは外傷性潰瘍かカンジダ症で、原因を取り除けば治るものです。ただし見た目だけで区別できないものが含まれるため、「大丈夫だと確かめる」ために受診していただく、という考え方が安全です。

セルフチェックとして清潔なガーゼで軽くこすってみるのは有効です。取れれば汚れやカンジダの可能性、取れずに白さが残るなら粘膜そのものの変化と考えます。ただし強くこすったり、潰したりはしないでください。治りが遅くなり、判断も難しくなります。

治りを妨げている身近な原因

「病気ではないが、治りが遅くなっている」要因も少なくありません。心当たりがないか確認してみてください。

  • 歯や補綴物が当たっている:欠けた歯・尖った銀歯・合わない入れ歯。当たり続ける限り治りません。もっとも多く、かつ確実に解決できる原因です
  • 刺激の強い食事:熱いもの・辛いもの・酸味の強いものが、治りかけの粘膜を繰り返し傷つけます
  • 鉄・ビタミンB群の不足:とくに再発を繰り返す方では、鉄欠乏が隠れていることがあります
  • ストレス・睡眠不足:粘膜の回復力が落ちます。「疲れると口内炎ができる」という実感は理にかなっています
  • 口の中の乾燥:唾液が減ると粘膜が傷つきやすく、治りにくくなります。口呼吸や服用中の薬が背景にあることもあります
  • 喫煙:粘膜の血流を下げ、治癒を遅らせます。白板症の危険因子でもあります

市販薬で治らないときの考え方

市販の口内炎薬は、アフタ性口内炎の痛みを抑え、治りを助けるものです。使っても改善しない場合は「薬が効かない」のではなく、「アフタ性口内炎ではない」可能性を考えるほうが正確です。とくに外傷性潰瘍とカンジダ症は、原因が別にあるため塗り薬では治りません。

受診の目安|3段階で整理する

どのくらい急ぐべきかを3段階に分けました。

緊急度当てはまる状態
早めに受診2週間以上治らない/硬いしこりを触れる/こすっても取れない白い部分がある/出血しやすい/だんだん大きくなる/しびれや口の開けにくさを伴う
数日以内に受診歯や詰め物が当たっている自覚がある/入れ歯を入れてから同じ場所にできる/痛みで食事や睡眠に支障がある/広い範囲に白い苔状のものがある/発熱を伴う
様子を見てよい1週間以内で小さくなってきている/痛みがピークを越えた/心当たりのある刺激(噛んだ・熱いものを食べた)がある

受診するときにお伝えいただきたいこと

診断の助けになりますので、次の3点を確認しておいでください。①いつからか(おおよその日数)②同じ場所か、場所が変わるか ③痛みの有無と、この数日で大きさが変わったか。スマートフォンで撮影しておくと、経過の比較に役立ちます。

当院では、まず口の中を直接確認し、原因になっている歯や補綴物がないかを含めて診察します。歯が当たっていることが原因であれば、その場で調整して原因を取り除きます。治らない口内炎の背景に虫歯や被せ物の問題がある場合は、一般歯科で原因の治療まで対応しています。詳しい検査が必要と判断した場合は、連携する医療機関をご紹介します。

口内炎が治らないときは何科?

まずは歯科(歯科口腔外科を含む)で問題ありません。口の中の粘膜を日常的に診ており、原因になりやすい歯・詰め物・入れ歯まで同時に確認できるためです。

  • 歯科・歯科口腔外科:口内炎全般の第一選択。原因の除去まで一度に対応できます
  • 耳鼻咽喉科:のどの奥や扁桃に近い部位の症状が強い場合
  • 内科・皮膚科:繰り返す口内炎に加えて、皮膚・目・関節など全身の症状を伴う場合

迷われる場合は、かかりつけの歯科医院にご相談ください。必要であれば適切な診療科をご案内します。いなべ市周辺で受診先をお探しの方へ——ハギノ歯科には、いなべ市のほか桑名市・東員町・菰野町・四日市市北部からもご来院いただいています。

よくあるご質問

治らない口内炎について、患者様からよくいただくご質問とその回答をご紹介します

Q

口内炎は何日続くとやばいですか?

A

目安は2週間です。一般的なアフタ性口内炎は7〜14日ほどで自然に治ります。粘膜は新陳代謝が速い組織のため、原因が取り除かれていれば2週間ほどで治るのが通常の経過です。2週間を超えても同じ場所に同じものが残っている場合は、治りを妨げている原因があるか、そもそも口内炎ではない可能性を考えます。1か月以上続く場合は早めにご受診ください。

Q

口内炎がずっと治らないのはなぜですか?

A

もっとも多いのは、欠けた歯・外れかけた詰め物・合わない入れ歯が同じ場所に当たり続けている外傷性潰瘍です。傷が治る前にまた傷つけられるため、いつまでも治りません。次に多いのが口腔カンジダ症で、白い苔状のものがガーゼでこすると取れるのが特徴です。このほか鉄やビタミンB12の不足、ストレス、口の乾燥、喫煙も治りを遅らせます。市販薬で改善しない場合は、薬が効かないのではなく別の原因があると考えるほうが正確です。

Q

口内炎が治らない原因となる病気は?

A

口腔カンジダ症・白板症・ベーチェット病などの全身疾患、そして頻度はまれですが口腔がんが挙げられます。口腔カンジダ症は白い苔状のものが広がりこすると取れる状態で、抗真菌薬で治療できます。白板症はこすっても取れない白い病変で、前がん病変として経過観察や精査を行います。口内炎に加えて目の症状・皮膚の発疹・陰部の潰瘍を伴う場合は、内科との連携が必要になることがあります。

Q

口内炎と癌の見分け方は?

A

見た目だけで確実に区別することはできないため、次の4点を目安にしてください。①痛みがない ②硬いしこりとして触れる ③こすっても白い部分が取れない ④2週間以上変わらないか大きくなる——いずれかに当てはまる場合は確認をおすすめします。とくに注意していただきたいのは、口腔がんは初期には痛みが乏しいことが多い点です。強い痛みを伴うアフタ性口内炎は自然に治るものが大半で、放置してはいけないものはむしろ痛くない側に集まっています。ほとんどは外傷性潰瘍やカンジダ症ですが、「大丈夫だと確かめる」ために受診するという考え方が安全です。

Q

口内炎が治らないとき、何科を受診すればよいですか?

A

まずは歯科または歯科口腔外科で問題ありません。口の中の粘膜を日常的に診ており、原因になりやすい歯・詰め物・入れ歯まで同時に確認できるためです。歯が当たっていることが原因であれば、その場で調整して原因を取り除けます。のどの奥に近い部位の症状が強い場合は耳鼻咽喉科、皮膚や目、関節など全身の症状を伴う場合は内科や皮膚科が適しています。迷われる場合はかかりつけの歯科医院にご相談ください。

Q

子どもの口内炎が治らないときはどうすればよいですか?

A

お子さんの場合、生えかわりの時期の歯の縁が当たっていたり、転んだときに口の中を切っていたりと、原因がはっきりしていることが多くあります。一方で、発熱を伴い口の中に多数の潰瘍ができるヘルペス性歯肉口内炎では、痛みで水分がとれなくなることがあり注意が必要です。水分がとれない、機嫌が戻らない、高熱が続くといった場合は早めにご受診ください。痛みがなく2週間以上続く場合も、一度確認しておくと安心です。

治らない口内炎が気になる方へ

2週間以上続く口内炎は、一度ご確認ください。
原因になっている歯や詰め物がないかを含めて診察し、その場で対応できるものは調整いたします。

まとめ

口内炎が治らないときの判断は、「何日目か」から始めてください。一般的なアフタ性口内炎は7〜14日で治ります。2週間を超えて残っている場合は、治りを妨げている原因があるか、口内炎ではない別のものかを考える段階です。

もっとも多い原因は歯や詰め物が当たり続けている外傷性潰瘍で、原因を取り除けば治ります。次いで口腔カンジダ症です。いずれも塗り薬では治らないため、市販薬で改善しないことは「別の原因がある」というサインだと受け取ってください。

そして、この記事でもっともお伝えしたいのは、「痛くない」ほうに放置してはいけないものが集まっているという点です。痛みがない・硬い・こすっても白さが取れない・2週間以上変わらない——このいずれかがあれば、心配ないと確かめるためにも一度ご相談ください。

いなべ市のハギノ歯科では、虫歯や歯周病の治療から予防歯科による定期的なチェックまで、地域のみなさまのお口の健康を継続して見守っています。歯ぐきの腫れ口の中のできものなど、気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。

監修:萩野 貴俊(副院長)

愛知学院大学歯学部卒業。三重県いなべ市のハギノ歯科にて、虫歯・歯周病の治療から根管治療、予防歯科まで幅広く診療を担当。「痛くない歯医者」を目指し、患者様一人ひとりの状態に合わせた説明と治療を心がけています。