歯周病治療
歯を失う原因の第1位は歯周病
歯周病という言葉自体はテレビ番組やコマーシャルでよく聞く言葉だと思います。
でも、歯周病についてよく知らない方も多いと思います。
ただ、覚えておいてください。歯を失う原因の第1位は歯周病なんです。
歯周病は虫歯と違って痛みを伴わない事が多いので、気づかないうちにすごく悪化してしまうことも。
歯周病は定期検診での早期発見が大切です。
歯周病のメカニズム
歯周病の原因は歯周病菌という細菌が引き起こす
歯周病は歯周病菌という細菌が原因です。歯周病菌が増殖し、塊になったものをプラーク(歯垢)と呼びます。
歯の表面にあるプラークは歯磨きによって落ちますが、歯茎の付け根や歯と歯茎の隙間(歯周ポケット)にあるプラークは歯磨き残しなどで大きな塊になりやすいのです。
プラークは細菌のため、生きています。この細菌が毒素を出すことで歯茎に炎症が発生し、歯周病を引き起こします。最終的には歯の土台となっている骨を溶かしてしまうため、結果として歯が抜けてしまうのです。治療により進行を止める(抑える)ことは出来ますが、溶けた骨は元に戻りません。
歯周病は初期段階では見つけにくい
虫歯がほとんど無い!という方は歯が健康であるがために、歯科医院でプラークを除去するお掃除してもらう機会がないため、硬い歯石が歯肉の中まで付いていることが多く、歯周病がかなり進んでいることが多いです。
歯自体は治療していなくても、長年の歯肉に入り込んだ細菌により歯を支える骨(歯槽骨)が溶けてしまった状態で、近い将来、歯を失ってしまうこともあります。
歯が健康でも歯周病の可能性はある
自分で異変を感じ、気付いた時には歯を支える骨(歯槽骨)の大部分が溶かされており、手遅れになっている状態で歯科を来院。抜歯をするしか手がない状態の方も多く診てきています。
日本人の35歳以上の約8割は歯周病だとも言われています。そうならないためにも、症状がなくても定期的な検診で早期治療や予防が大切になります。
ご家族や知り合いの方でここ数年歯医者に行ったことがないという方がいましたらぜひ、「予防歯科」という名目で歯医者に一度来院する事を勧めてみてください。
年齢や性別問わず誰でもかかる可能性がある
歯周病は、ある日突然発症する病気ではありません。徐々に段階を踏みながら進行していきます。歯周病はシニアの病気と考えている方も多いかと思いますが、じつは20代であっても歯周病にかかる可能性はあります。年齢とともに発症率は上がりますが、若い世代にも注意が必要な病気です。
歯周病の発見はセルフチェックが大切
歯周病セルフチェックリストでチェック
- 疲れていると歯肉が腫れやすい
- 歯肉がむずがゆい
- 歯みがきをすると血がでる
- 口臭がキツクなった、人に指摘された
- 歯と歯の間の隙間が広くなってきた
- 歯が長くなってきたように感じる
- 硬い食べ物が食べにくくなった
- 歯がグラグラしたり浮いたような感じがある
これらの症状が複数個見られる場合、歯周病になっている可能性が高くなります。
一度、来院をして、歯周病のチェックを受けてみてください。
歯周病治療
歯周病治療としては歯周病の原因となるプラークを取り除き、細菌による炎症を抑え、緩和させます。ただ、健康な状態に戻すことは出来ず、現状維持に努める事が基本となります。
重度の歯周病になってしまうと、歯を支える骨が溶けているので歯がグラグラの状態です。この状態からは「歯周組織再生療法」という方法で対応することも出来るのですが、誰にでも対応できる治療法ではないため、歯周病を発生させないように「予防歯科」をしっかりと行う事をお勧めします。
歯周病検査
- 歯周ポケット検査:歯周病がどこまで進行しているかを確認する検査
- 歯の動揺度検査:歯を専用の器具ではさんで動かし、揺れ具合を確認する検査
- 歯のX線撮影:歯を支える骨がどれほど吸収されてしまっているかを確認する検査
歯周病と全身疾患の関係
歯周病が引き起こす全身疾患として主なものは、以下の8つがあります。
- 狭心症・心筋梗塞
- 脳梗塞
- 糖尿病
- 誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)
- メタボリックシンドローム
- 早産・低体重出産
- バージャー病
- 骨粗鬆症
歯周病が起因となることもあれば、逆に全身疾患によって歯周病が発症したり悪化するケースも報告されています。例えば、歯周病の治療で糖尿病の数値が良くなったり糖尿病の治療で歯周病が改善されることもあります。
単にお口の健康を守るためだけではなく、全身の健康を予防・改善していくためにも歯周病の早期予防・早期治療がとても大切となります。