口の中が痛いときは様子を見ていい?上あご・頬の内側の痛みと受診の目安(記事アイキャッチ)

口の中が痛いときは様子を見ていい?上あご・頬の内側の痛みと受診の目安

結論からお伝えすると、口の中の痛みは、やけどや傷、口内炎のほか、粘膜の病気のこともあります。日本口腔外科学会は、口の粘膜が痛い・ヒリヒリするときに疑われるものとして、やけどや傷、口内炎などを挙げています。こうした場合はうがいをして様子を見て、3〜4日で症状が軽くなれば心配はなく、症状が続く場合は診察を受けるよう勧めています(日本口腔外科学会「口の粘膜が痛い・ヒリヒリする」)。

ただ、カンジダ症や扁平苔癬(へんぺいたいせん)など、粘膜の病気のこともあります。「上あごが痛い」「頬の内側がヒリヒリする」といっても、場所だけで原因は決められません。この記事では、まず受診の目安を整理し、そのあと、見た目ごとに考えられることと、歯科で確かめることをまとめました。

いなべ市のハギノ歯科でも、口の中の痛みのご相談をお受けしています。この記事は自己診断ではなく、相談するタイミングを決める手がかりとしてお使いください。

まず確認|いまの様子で変わる受診の目安

痛みのきっかけや、見た目の変化で、急ぎ具合が変わります。いまの様子にいちばん近いものを、下の表で確かめてみてください。

いまの様子考えられること受診の目安
熱いものを食べた、硬いものが当たった、歯ブラシや入れ歯で傷ついたやけどや傷うがいをして様子を見る。3〜4日で軽くならなければ受診
丸くて浅い、白っぽい潰瘍(粘膜がえぐれた傷)があり、まわりが赤いアフタ性の口内炎(一般的な丸い口内炎)7〜10日で自然に治るとされる。治らない・くり返すときは受診
白いものが付いていて、ぬぐうと取れる口腔カンジダ症のことがある(慢性化すると取れにくいこともある)歯科で確認
白いレース状の模様があり、しみる・触ると痛い扁平苔癬のことがある歯科で確認
こすっても取れない白い部分があり、痛む白板症(はくばんしょう)のことがある(痛みのあるものは要注意とされる)早めに歯科・口腔外科へ
熱やだるさがあり、口の中全体が赤く、食べる・飲むのがつらいヘルペス性歯肉口内炎のことがある速やかに受診を

表の「考えられること」と、やけど・傷、アフタ性の口内炎の日数は日本口腔外科学会「口の粘膜が痛い・ヒリヒリする」の解説をもとにしています。ほかの「受診の目安」は、その内容に当院の考え方を加えて整理したものです。

当院では、3〜4日は「痛みが軽くなってきているか」を見る目安、7〜10日はアフタ性の口内炎が治るまでの目安と考えています。治らない口内炎を確かめる目安は、口内炎が治らないときの記事でご案内している2週間ですが、痛みが軽くならないときや、つらいときは、2週間を待たずにご相談ください。

また、硬いしこりがある、ただれがなかなか治らない、同じ場所に痛みがくり返すときも、日数を待たずにご相談いただくことをおすすめしています。

口の中の痛みで考えられること

やけど・傷

日本口腔外科学会は、食べ物によるやけど、硬い食べ物、歯ブラシや入れ歯によって傷がついた場合を挙げています(日本口腔外科学会「口の粘膜が痛い・ヒリヒリする」)。熱いものを食べたあとに上あごが痛い、というのもこの場合です。また、とがった歯や詰め物、あわない入れ歯がこすれる刺激が続くと潰瘍になることがあり、歯を丸めたり入れ歯を修理したりすると、10日くらいで治ってくるとされています(日本口腔外科学会「きずやできものができた」)。

アフタ性の口内炎

輪郭のはっきりした、丸くて浅い、灰白色の膜でおおわれた潰瘍ができ、まわりが赤くなって痛みます。だれでも一度くらいは経験する口内炎で、放置しても7〜10日で自然に治るとされ、塗り薬やうがい薬で痛みが軽くなることもあります。原因は不明ですが、細菌やウイルスの感染、機械的な刺激、アレルギーやホルモンの異常などが考えられています(日本口腔外科学会「口の粘膜が痛い・ヒリヒリする」)。

口腔カンジダ症

カビの一種であるカンジダによる感染症で、粘膜の痛みや味覚の障害が出ることもあります。急性のものでは白いものをぬぐうと取れ、取れたあとは赤くなったり、ただれたりします。慢性化すると取れにくくなることもあります。カンジダはふだんからお口の中にいる菌で、ステロイド薬の内服、糖尿病、体の衰弱などで抵抗力が落ちているとき、唾液が減っているとき、抗生物質を長く使っているときなどに増えやすくなります(日本口腔外科学会「口の粘膜が痛い・ヒリヒリする」)。白い膜・白い斑点の見分け方は、口の中の白い膜・白い斑点の記事で解説しています。

扁平苔癬・白板症

扁平苔癬は、頬の粘膜や舌、唇にできやすい、治りにくい病変で、白いレース状の模様が特徴です。ただれや潰瘍ができて、触ると痛んだり、食べ物がしみたりします。がんになることはまれとされています。白板症は、こすっても取れない白い病変で、痛みを伴うものは少ないものの、痛みのあるものは要注意とされています。同じ解説は、白板症を前がん病変の代表とし、まれに初期のがんのこともあるとしています(日本口腔外科学会「口の粘膜が痛い・ヒリヒリする」)。痛みがないから安心というわけではありません。どちらもご自身で見た目だけで見分けるのは難しいため、歯科でご相談ください。

ヘルペス性歯肉口内炎・口の乾き

ヘルペス性歯肉口内炎は、単純ヘルペスウイルスによるもので、大半は小児に見られますが、大人にも見られます。熱やだるさがあり、口の中に多数の口内炎ができて全体が赤くなり、歯茎の腫れやただれ、強い痛みが出ます。かむ、飲み込む、話すことも難しくなることがあります(日本口腔外科学会「口の粘膜が痛い・ヒリヒリする」)。

日本口腔外科学会は、口腔乾燥症(ドライマウス)について、軽度では口の中のネバネバ感やヒリヒリする感じ、重度になると痛みで食べることや話すことが難しくなることがあるとしています(日本口腔外科学会「口の中が乾燥する」)。

場所から考える|上あご・頬の内側が痛いとき

痛む場所ごとに、気をつけたいことを当院の考え方として整理しました。場所だけで原因を決めることはできません。気になるときは、口の中を直接見られる歯科でご相談ください。

痛む場所考えやすいきっかけ確認したいこと
上あご熱いものでのやけど、硬い食べ物、入れ歯押すと痛い・腫れているときは、歯の根の問題が隠れていないか
頬の内側噛んでしまった傷、歯や詰め物の角白いレース状の模様や、同じ場所のくり返しがないか
口の中全体口の乾き、体調の変化、飲んでいるお薬熱やだるさ、全体の赤み、白いものの付着がないか

歯の根の先の病気については根尖性歯周炎・歯根嚢胞の記事、舌の痛みについては舌が痛いときの記事、痛みのないふくらみについては粘液嚢胞の記事をご覧ください。

歯科で確かめること|ハギノ歯科に相談するとき

当院では、お口の中を直接確認し、歯や詰め物、入れ歯が粘膜に当たっていないかも含めて確かめます。専門的な検査が必要な場合は、適切な医療機関をご案内します。当院の口腔外科のご案内にあるとおり、口の中の異変については、ひとまずご相談ください。

受診のときに伝えていただきたいこと

  • 痛む場所と、いつごろからか:きっかけに心当たりがあれば、そのこと
  • 見た目の変化:白い・赤い・ただれている・膨らんでいるなど
  • 入れ歯や、最近治療した歯の有無
  • 服用中のお薬・持病(糖尿病など)と、熱やだるさの有無

うまく説明できなくても大丈夫です。気づいたことを、そのままお伝えください。

よくあるご質問

口の中の痛みについて、患者様からよくいただくご質問とその回答をご紹介します

Q

口の中が痛いとき、何日くらい様子を見ていいですか?

A

やけどや傷、口内炎の場合、日本口腔外科学会は、うがいをして様子を見て、3〜4日で症状が軽くなれば心配はなく、続く場合は診察を受けるよう勧めています。アフタ性の口内炎は7〜10日で自然に治るとされています(日本口腔外科学会「口の粘膜が痛い・ヒリヒリする」)。当院では、3〜4日は痛みが軽くなってきているかを見る目安と考えています。痛みが軽くならないとき、硬いしこりがある、ただれがなかなか治らないといったときは、日数を待たずにご相談いただくことをおすすめしています。

Q

上あごが痛いのは、やけどでしょうか?

A

熱いものを食べたあとなら、やけどのことがあります。ただ、心当たりがないときや、押すと痛い・腫れているときは、歯の根の問題など別の原因のこともあると当院では考えています。歯科でご相談ください。

Q

入れ歯が当たって痛いときは、どうしたらいいですか?

A

日本口腔外科学会は、入れ歯によって傷がついた場合も、口の粘膜が痛くなる原因のひとつとして挙げています(日本口腔外科学会「口の粘膜が痛い・ヒリヒリする」)。あわない入れ歯がこすれる刺激が続くと潰瘍になることがあり、入れ歯を修理すると10日くらいで治ってくるとされています(日本口腔外科学会「きずやできものができた」)。当院では、ご自身で削らず、歯科で調整についてご相談いただくことをおすすめしています。

Q

白いものが付いていて痛いのですが、何でしょうか?

A

日本口腔外科学会は、ぬぐうと取れる白いものは急性の口腔カンジダ症、白いレース状の模様は扁平苔癬、こすっても取れない白い部分は白板症の特徴として挙げています(日本口腔外科学会「口の粘膜が痛い・ヒリヒリする」)。ご自身で見た目だけで見分けるのは難しいため、歯科で確かめてください。

Q

がんが心配です。受診したほうがいいですか?

A

がんかどうかは、ご自身で痛みの有無や見た目だけで判断するのは難しいです。国立がん研究センターは、口の中のしこりや、なかなか治らない口内炎などを口腔がんの症状に挙げ、気になる症状があるときは早めの受診が大切だとしています(国立がん研究センター がん情報サービス「口腔がん」)。心配なまま過ごされるよりも、一度お口の中を確認させてください。

Q

口の中の痛みは、歯科で相談していいですか?

A

どうぞご相談ください。当院では、お口の中を直接確認し、歯や詰め物、入れ歯が当たっていないかも含めて確かめます。専門的な検査が必要な場合は、適切な医療機関をご案内します。

いなべ市で、口の中の痛みが気になっている方へ。桑名市・東員町・四日市市など、近隣のみなさまからのご相談もお待ちしています。「このくらいで受診していいのかな」というときも、まずはお気軽にご相談ください。

口の中の痛み、続いていませんか?

お口の中を直接確認し、歯や入れ歯が当たっていないかも含めて確かめます。
お電話またはWeb予約でお気軽にご相談ください。

まとめ:3〜4日で軽くならない痛みは、歯科でご相談を

やけどや傷、口内炎が考えられるときは、うがいをして様子を見て、3〜4日で軽くならないときは診察を受けてください。

白いものが付いている、レース状の模様がある、こすっても取れない白い部分があるといったときは、粘膜の病気のことがあります。ご自身で場所や見た目だけで見分けるのは難しいです。熱やだるさを伴って口の中全体が赤いときは、速やかに受診してください。

この記事は自己診断のためのものではなく、診断は診察で行います。気になることがあれば、どうぞお気軽にお問い合わせください。

萩野 貴俊

この記事の監修者

ハギノ歯科 副院長
萩野 貴俊

いなべ市大安町で約40年、地域の皆さまのお口の健康を見守ってまいりました。口の中の痛みは、見えにくい場所だけに不安なものです。気になるときは、お気軽にご相談ください。