口の中の白い膜・白い斑点は何?こすって取れる白と取れない白の見分け方と受診の目安(記事アイキャッチ)

口の中の白い膜・白い斑点は何?こすって取れる白と取れない白の見分け方と受診の目安

結論からお伝えすると、口の中の白い膜や白い斑点は、「ぬぐうと取れるか、こすっても取れないか」がひとつの手がかりになります。ぬぐうと取れる白は、カビの一種が増えた「口腔カンジダ症」のことがあります。一方、こすっても取れない白い部分は「白板症(はくばんしょう)」のことがあり、口腔外科で確かめることが勧められています。歯科医院でもご相談いただけます。

とはいえ、「痛くないから、このままでいいのかな」「何科に行けばいいのか分からない」と迷われる方は少なくありません。この記事では、まず確認していただきたい受診の目安を、白いものの様子ごとに整理し、そのあと、それぞれの病気の特徴や、歯科で確かめることをまとめました。

いなべ市のハギノ歯科でも、お口の中の気になる変化についてのご相談をお受けしています。口の粘膜の病気は、見た目だけで見分けるのが難しいものも多くあります。この記事は自己診断ではなく、相談するタイミングを決める手がかりとしてお使いください。

まず確認|白いものの様子で変わる受診の目安

口の中が白く見える病気には、いくつかの種類があります。いまの様子にいちばん近いものを、下の表で確かめてみてください。ご自分で確かめるときは、清潔なガーゼで軽くぬぐう程度にし、強くこすったり、つぶしたりしないでください。

白いものの様子考えられる病気受診の目安
ぬぐうと取れる白い膜や点がある。取れたあとが赤くなっている・ただれている口腔カンジダ症早めに歯科へ
こすっても取れない白い部分がある。痛みはないことが多い白板症など痛くなくても、口腔外科(歯科)で確かめる
頬の内側などに、レースのような白い模様があり、まわりが赤い。食べ物がしみることもある口腔扁平苔癬(こうくうへんぺいたいせん)など早めに歯科へ
白い部分が厚い・盛り上がっている。しこり、ただれ、えぐれた傷(潰瘍)を伴う詳しい検査が必要な状態のことがある様子を見ずに、早めに口腔外科(歯科)へ

表の「白いものの様子」と「考えられる病気」は、日本口腔外科学会の解説「口腔粘膜疾患」と、東京女子医科大学 歯科口腔外科の解説「口内炎・口腔粘膜疾患」をもとにしています。「受診の目安」は、その内容に当院の考え方を加えて整理したものです。

大阪大学歯学部附属病院の解説は、口の中の粘膜が白く変化していることに気づいたら、口腔外科に相談するよう勧めています(大阪大学歯学部附属病院「口の粘膜の病気 白板症」)。また日本口腔外科学会は、白板症のうち、しこりやえぐれた傷(潰瘍)を伴うものは初期のがんが疑われるため、組織をとって調べる検査(生検)が必要だとしています。

ぬぐうと取れる白|口腔カンジダ症とは

口腔カンジダ症は、おもにカンジダというカビ(真菌)によって起こる、口の中の感染症です。日本口腔外科学会によると、灰白色や乳白色の点・線・まだら模様の白いもの(白苔(はくたい))が粘膜の表面に付き、ガーゼなどでぬぐうと取れますが、取れたあとの粘膜は赤くなったり、ただれたりしています。口の中の痛みや、味が分かりにくくなることもあるとされています(日本口腔外科学会「口腔粘膜疾患」)。

白くならないタイプや、取れにくいタイプもあります

同じ解説では、白いものが付かずに粘膜が赤くなるタイプもあり、こちらはヒリヒリとした痛みが強くなるとされています。口の端(口角)が赤くなる・切れる口角炎も、カンジダが原因のことが多いとされています。また、長く続いたタイプでは、白いものがはがれにくくなることがあります。「取れないから、カンジダではない」とは言い切れないため、迷うときは歯科で確かめてください。

口の中の菌のバランスが崩れたときに起こりやすい

カンジダは、もともと口の中にいる菌の一種です。ふだんはほかの菌とバランスをとって暮らしていますが、日本口腔外科学会は、次のようなときにバランスが崩れて増えやすいと説明しています。

  • ステロイド薬の使用、糖尿病、体の衰弱などで、免疫力が落ちているとき
  • 唾液の量が減っているとき
  • 抗菌薬を長い期間飲んでいるとき

治療では、お口の中を清潔にし、カビに効くうがい薬や塗り薬を使います。飲み薬が必要になることもあるとされています。

こすっても取れない白|白板症とは

白板症は、頬の内側や舌、ときには歯茎にみられる白い病変で、こすってもはがれないものをいいます(日本口腔外科学会「口腔粘膜疾患」)。東京女子医科大学 歯科口腔外科の解説では、白板症には通常、自覚症状はないとされています(東京女子医科大学 歯科口腔外科「口内炎・口腔粘膜疾患」)。ただし、ただれを伴うと、ものが当たって痛んだり、食べ物がしみたりすることもあるとされています(日本口腔外科学会)。

「前がん病変」と呼ばれる理由

日本口腔外科学会は、白板症をがんの前段階にあたる「前がん病変」の代表的なものとし、とくに舌にできたものは悪性化する可能性が高いと説明しています。大阪大学歯学部附属病院の解説では、白板症は長い経過のなかでがん化することがあり、日本では、がん化する割合は3.1〜16.3%程度と報告されています(大阪大学歯学部附属病院「口の粘膜の病気 白板症」)。

同じ解説は、適切な診断で早めに治療したり、経過をみたりすることで、がん化した場合でも早く対処できるとしています。がん化は長い経過のなかで起こることがあるとされています。ただし、しこりやえぐれた傷を伴うものは初期のがんが疑われることもあるため(日本口腔外科学会)、見つけたときに確かめることが大切です。

原因として考えられていること

日本口腔外科学会の解説では、次のようなものが関係するといわれています。

  • タバコ・アルコール
  • 入れ歯などが同じ所に当たり続ける、慢性的な刺激
  • ビタミンA・Bの不足、加齢、体質

治療は状態に合わせて選ばれ、長く経過をみます

日本口腔外科学会の解説では、ビタミンAの投与や禁煙で治ることもあるとされています。一方で、白い部分が厚いもの、盛り上がったもの、ただれやえぐれた傷(潰瘍)を伴うものは、がん化する可能性が高いため切除するとされています。また、長い年月をかけて悪性化する場合もあるため、長く経過をみていく必要があるとしています。

レースのような白い模様|口腔扁平苔癬とは

口腔扁平苔癬は、皮膚や粘膜にできる、治りにくい炎症性の病変です。日本口腔外科学会によると、口の中では頬の内側に多く、舌や唇にもでき、白い模様がレースのように広がり、まわりが赤くなるのが特徴です。ただれやえぐれた傷(潰瘍)ができて、ものが当たると痛んだり、食べ物がしみたりすることがあり、まれにがん化することもあるとされています(日本口腔外科学会「口腔粘膜疾患」)。

原因ははっきりしていませんが、歯科用の金属によるアレルギーや、ストレスなどの関わりが考えられています。治療では、うがい薬や塗り薬を使います。歯科用金属のアレルギーが疑われる場合は、検査をしたうえで、原因と考えられる詰め物やかぶせ物を外すことがあるとされています。

白く見える、ほかのものとの見分け方

「白い膜」「白い斑点」とは少し違う、白っぽく見えるものもあります。場所や形ごとに、次に読んでいただきたい記事を整理しました。

白っぽく見えるもの考えられること次に読む記事
舌の表面全体が、白っぽくおおわれている舌苔(ぜったい)など舌が白い原因と受診の目安
唇の裏や舌の裏に、透明〜白っぽい、ぷくっとしたふくらみがある粘液嚢胞(ねんえきのうほう)など粘液嚢胞の見分け方
歯茎に、ニキビのような白いできものがある歯の根の先の膿の出口(フィステル)など歯茎の白いできものの正体
えぐれた傷の表面が白っぽく、なかなか治らない口内炎のほか、治りにくい病変口内炎が治らないときの受診の目安

大阪大学歯学部附属病院の解説は、口の粘膜の病気は見た目だけで診断することが難しいものも多いとしています(大阪大学歯学部附属病院)。この表も、受診先や次に読む記事を選ぶための目安としてお使いください。

歯科で確かめること|ハギノ歯科に相談するとき

口の粘膜の病気は、さまざまな検査で診断されます

大阪大学歯学部附属病院の解説では、口の粘膜の病気は、口の中の細菌の状態や組織の状態、血液検査などで全身の状態も調べ、さまざまな検査をもとに診断するとされています。ほかの専門の診療科と連携して対処することもあります。白板症でしこりやえぐれた傷を伴うものは、組織をとって調べる検査(生検)が必要だとされています(日本口腔外科学会)。

ハギノ歯科に相談するとき

当院では、お口の中を拝見して、白い部分の場所や広さ、まわりの粘膜の様子、合わない入れ歯やかぶせ物が当たっていないかを確認します。そのうえで、必要な検査や、受診していただく先についてご説明します。当院の口腔外科のご案内にもあるとおり、口の中の異変については、まずはお気軽にご相談ください。

受診のときに伝えていただきたいこと

  • 白い部分に気づいた時期と場所:大きさや色が変わってきたかどうかも
  • 痛み・しみる感じ・味の変化があるか
  • 服用中のお薬(ステロイド薬・抗菌薬など)、持病(糖尿病など)、喫煙の有無

うまく説明できなくても大丈夫です。気づいたことを、そのままお伝えください。

日ごろからできること|気になるときは鏡でお口の中を見てみましょう

国立がん研究センターの「がん情報サービス」は、口の中に違和感があると感じたときには、鏡で口の中を確認してみるよう勧めています。口腔がんでは粘膜の色が赤くなったり白く変色したりすることがあり、気になる症状があるときは、歯科口腔外科などを早めに受診することが大切だとしています(国立がん研究センター がん情報サービス「口腔がん」)。

当院からは、日ごろ次のことをおすすめしています。

  • 歯みがきで、お口の中を清潔に保つ
  • 入れ歯やかぶせ物が当たって痛い所があれば、そのままにしない
  • 気になる白い部分を見つけたら、場所と大きさを覚えておき、歯科で相談する

定期健診でお口の中を見てもらうことも、変化に気づくきっかけになります。

よくあるご質問

口の中の白い膜や白い斑点について、患者様からよくいただくご質問とその回答をご紹介します

Q

痛くなければ、様子を見てもいいですか?

A

痛みがないことだけで、様子を見てよいとは言えません。東京女子医科大学 歯科口腔外科の解説では、白板症には通常、自覚症状はないとされています(東京女子医科大学 歯科口腔外科「口内炎・口腔粘膜疾患」)。大阪大学歯学部附属病院の解説も、口の中の粘膜が白く変化していることに気づいたら、口腔外科に相談するよう勧めています(大阪大学歯学部附属病院)。気づいた時点で、一度歯科で確かめてください。

Q

白板症は、がんになりますか?

A

白板症は、長い経過のなかでがん化することがある前がん病変とされています。大阪大学歯学部附属病院の解説では、日本でのがん化の割合は3.1〜16.3%程度と報告されています(大阪大学歯学部附属病院)。がん化は長い経過のなかで起こることがあり、適切な診断のうえで治療や経過観察を受けることで、がん化した場合でも早く対処できるとされています。しこりやえぐれた傷を伴うものは初期のがんが疑われることもあるため、見つけたときに確かめてください。

Q

口腔カンジダ症は、どんな人に起こりやすいですか?

A

日本口腔外科学会は、ステロイド薬の使用や糖尿病、体の衰弱などで免疫力が落ちているとき、唾液の量が減っているとき、抗菌薬を長い期間飲んでいるときに、口の中の菌のバランスが崩れて起こりやすいと説明しています(日本口腔外科学会「口腔粘膜疾患」)。思い当たることがあれば、受診の際にお伝えください。

Q

入れ歯やかぶせ物が当たる所が白くなっています。関係がありますか?

A

関係していることがあります。日本口腔外科学会は、白板症の原因のひとつとして、入れ歯などによる慢性的な刺激を挙げています(日本口腔外科学会「口腔粘膜疾患」)。当たっている物の調整も含めて、歯科でご相談ください。

Q

口の中に白いものができたら、何科を受診すればよいですか?

A

大阪大学歯学部附属病院の解説は、口の中の粘膜が白く変化していることに気づいたら、口腔外科に相談するよう勧めています(大阪大学歯学部附属病院)。歯科医院でもご相談いただけます。当院でもお口の中を拝見し、必要な検査や受診していただく先についてご説明します。

Q

頬の内側に、白いレースのような模様があります。

A

口腔扁平苔癬のことがあります。日本口腔外科学会によると、頬の内側に多く、白い模様がレースのように広がり、まわりが赤くなるのが特徴で、まれにがん化することもあるとされています。歯科用金属のアレルギーが関係していることもあるため、歯科で確かめてください。

いなべ市で、お口の中の白い部分が気になっている方へ。桑名市・東員町・四日市市など、近隣のみなさまからのご相談もお待ちしています。「痛くないけれど、気になる」というときこそ、まずはお気軽にご相談ください。

口の中の白い部分、気になっていませんか?

お口の中を拝見して、白い部分とまわりの様子を確認します。
痛みがなくても、お電話またはWeb予約でお気軽にご相談ください。

まとめ:こすっても取れない白は、痛くなくても確かめましょう

口の中の白い膜や白い斑点は、ぬぐうと取れるか、こすっても取れないかがひとつの手がかりです。ぬぐうと取れて下が赤い場合は口腔カンジダ症、こすっても取れない場合は白板症、レースのような模様でまわりが赤い場合は口腔扁平苔癬のことがあります。

白板症は痛みがないことが多く、前がん病変とされています。白い部分が厚い、盛り上がっている、しこりやえぐれた傷を伴うといった場合は、様子を見ずに早めにご相談ください。

口の粘膜の病気は、見た目だけで診断することが難しいものも多くあります。この記事は自己診断のためのものではなく、診断は診察で行います。気になる白い部分があれば、どうぞお気軽にお問い合わせください。

萩野 貴俊

この記事の監修者

ハギノ歯科 副院長
萩野 貴俊

いなべ市大安町で約40年、地域の皆さまのお口の健康を見守ってまいりました。お口の中の白い部分は、痛みがなくても早めに確かめておくことが大切です。気になることがあれば、お気軽にご相談ください。