歯槽膿漏と全身疾患の関係:口の炎症が全身に及ぼす影響
「歯ぐきの病気と体の病気って関係あるの?」
実は近年、歯槽膿漏(重度歯周病)と全身疾患の関係が次々と明らかになっています。
歯槽膿漏の原因は細菌感染と慢性炎症。 この炎症が血液を通じて全身に広がることで、糖尿病、心臓病、脳梗塞、認知症など、 命や生活の質に関わる病気を悪化させることが分かっています。
本記事では、「歯槽膿漏がなぜ全身に影響するのか」「どんな病気と関連しているのか」を、 医学的根拠に基づいてわかりやすく解説します。
歯槽膿漏が全身に影響するメカニズム
糖尿病と歯槽膿漏の関係:互いに悪化させる「悪循環」
心臓病・脳梗塞との関係
認知症との関係:脳にも影響を与える歯周病菌
妊娠中の歯槽膿漏と早産リスク
妊娠中はホルモンの影響で歯ぐきが腫れやすくなり、 歯周病が悪化しやすい時期です。
歯槽膿漏の炎症物質が血液を通して子宮に届くと、 子宮の収縮を早め、早産や低体重児出産のリスクが高まることが知られています。
妊娠中も安全に受けられる歯科検診・クリーニングを受けることが大切です。
歯槽膿漏と全身疾患の関係まとめ
| 全身疾患 | 影響の仕組み | 主なリスク |
|---|---|---|
| 糖尿病 | 炎症性サイトカインが血糖コントロールを悪化 | 相互に悪化 |
| 心臓病・脳梗塞 | 血管内の炎症・動脈硬化促進 | 発症リスク2倍 |
| 認知症 | 菌や毒素が脳に到達・神経障害 | 認知機能低下 |
| 妊娠・出産 | 炎症物質が子宮に影響 | 早産リスク上昇 |
ハギノ歯科での全身連携アプローチ
よくあるご質問
歯槽膿漏と全身疾患について、患者様からよくいただくご質問とその回答をご紹介します
歯槽膿漏を治すと糖尿病も良くなるのですか?
はい。歯周病治療によって血糖値(HbA1c)が平均0.3〜0.6%改善するという報告があります。
心臓病で血液サラサラの薬を飲んでいますが、歯周治療は受けられますか?
可能です。ハギノ歯科では服薬内容を確認し、出血を抑える安全な治療を行います。
認知症予防に歯周ケアは本当に効果がありますか?
直接的に治すわけではありませんが、歯を保つことで脳の血流と神経刺激を維持できるため、予防効果が期待されています。
妊娠中に歯科治療を受けても大丈夫?
妊娠中期(安定期)であれば問題ありません。予防目的のクリーニングはむしろ推奨されます。
歯槽膿漏を放置するとどんな全身リスクがありますか?
糖尿病・心臓病・脳梗塞・認知症・早産など、慢性炎症が全身に波及するリスクがあります。
まとめ:歯槽膿漏の治療は全身の健康を守ること
歯槽膿漏は単なる「口の中の病気」ではありません。 歯周病菌や炎症物質が血液を通じて全身に広がることで、 糖尿病、心臓病、認知症、早産など、様々な全身疾患のリスクを高めます。
特に糖尿病とは相互に悪化させ合う関係にあり、 歯周病の治療が血糖値の改善につながることも明らかになっています。 また、心臓病のリスクは約2倍、認知症の原因物質も増加させるなど、 その影響は想像以上に広範囲に及びます。
しかし、適切な歯周病治療と定期的なメンテナンスによって、 これらのリスクを大幅に減らすことができます。 お口の健康を守ることは、全身の健康を守ることと同じです。
ハギノ歯科では、患者様の全身状態も考慮した安全な歯周病治療を行っています。 歯ぐきの症状が気になる方、基礎疾患をお持ちの方も、安心してご相談ください。
この記事の監修者
ハギノ歯科 副院長
萩野 貴俊
愛知学院大学歯学部卒業。日本歯周病学会会員。 歯周病と全身疾患の関係について、最新の知見を基に患者様にわかりやすく説明しています。 お口から全身の健康を守るお手伝いをいたします。
歯槽膿漏が全身に影響する前に、早めの対策を
ハギノ歯科では、患者様の全身状態も考慮した歯周病治療を行っています。
糖尿病や心臓病などの基礎疾患をお持ちの方も、安心してご相談ください。
お口の健康から、全身の健康を一緒に守りましょう。