歯槽膿漏の治療法を徹底解説!歯石除去から再生治療まで

「歯槽膿漏って、治るんですか?」
この質問は、多くの患者さんが最初に口にされるものです。

結論から言うと、歯槽膿漏(重度歯周病)は完全に”元に戻す”ことは難しいですが、 早期に治療を始めれば「進行を止める」こと、そして「歯を残す」ことは十分に可能です。

いなべ市のハギノ歯科の歯周病治療ページにもあるように、 歯周病は静かに進行しますが、適切なステップを踏めば改善は必ず見込めます。

この記事では、歯槽膿漏の治療法をステージ別に整理し、 「どんな処置をするのか」「痛みや通院期間はどのくらいか」「費用はどの範囲か」まで、わかりやすく解説します。

歯槽膿漏の治療の基本方針

歯槽膿漏の治療は、「炎症を止める」→「細菌を減らす」→「破壊された組織を再生させる」という順序で行われます。

目的は、歯を支える骨と歯ぐきを健康な状態に戻すこと。 そのためには、”表面的な掃除”だけでなく、細菌の温床である歯周ポケットの中まで徹底的に治療します。

歯槽膿漏治療の流れ:5つのステップ

検査から治療、そして維持管理まで、段階的に進めていきます。

1

検査と診断

歯周ポケット検査、レントゲン撮影などで現状を把握。 ポケットの深さ(健康な歯は1〜3mm)、出血や膿の確認、歯の動揺度チェックを行います。 歯槽膿漏の場合、ポケットは6mm以上になっていることが多いです。

2

プラークコントロール(初期治療)

スケーリング(歯石除去)とルートプレーニング(SRP)で細菌を徹底除去。 痛みは軽度(麻酔使用でほぼ無痛)、2〜4回程度、保険適用(1回あたり数千円)。 初期治療だけで炎症が治まるケースも多いです。

3

外科治療(重度の場合)

フラップ手術で歯ぐきを切開し、奥深い歯石を直接除去。 歯周組織再生療法(エムドゲイン法など)で骨の再生を促進。 保険適用の手術は3,000〜5,000円/部位、再生療法は自費で1歯5〜10万円程度。

4

噛み合わせ・補綴治療

骨が溶けて変わった噛み合わせを調整。 すでに歯を失った場合は、ブリッジ、入れ歯、インプラント(骨量回復後)などで機能を回復します。

5

メンテナンス(再発防止)

治療後の「予防管理」が最も重要。 3〜4か月ごとの定期検診で歯石除去、ポケット測定、ブラッシング指導を実施。 再発リスクを減らし、健康な歯ぐきを長く維持します。

外科治療の詳細:フラップ手術と再生療法

フラップ手術(歯肉剥離掻爬術)

歯ぐきを切開して、歯の根や骨を直接見ながら歯石を除去します。

  • メリット:奥深い歯石まで確実に除去でき、骨の形を整えて再感染を防げます
  • 治療の流れ:麻酔下で行うため痛みはほぼなし、通常1〜2本単位で実施
  • 費用:保険適用で約3,000〜5,000円程度/部位

歯周組織再生療法(エムドゲイン法など)

骨が吸収してしまった部分に、再生を促す薬剤(エムドゲインゲルなど)を塗布し、歯槽骨の再生を目指す治療法です。

  • 特徴:溶けた骨を部分的に再生でき、自分の歯を抜かずに残せる可能性が高まります
  • 注意点:保険外診療(自費)になることが多く、費用目安は1歯あたり5〜10万円前後
  • 適応:骨の形・炎症の程度により適応が限られます

ハギノ歯科でも、状態に応じて再生療法を組み合わせた治療を提案しています。

ステージ別の治療まとめ

ステージ主な症状治療法通院目安
軽度歯ぐきの腫れ・出血スケーリング/SRP1〜2回
中等度歯ぐき下に歯石・骨吸収SRP+部分的外科処置3〜6回
重度(歯槽膿漏)膿・歯の動揺フラップ手術・再生治療数ヶ月〜半年
治療後安定期メンテナンス3ヶ月ごと継続

放置してはいけない理由と自宅ケアの重要性

放置してはいけない理由

「歯ぐきの腫れくらい…」と放っておくと、骨が溶け続け、歯を失うだけでなく健康寿命も縮めることが分かっています。

心疾患や糖尿病、認知症との関連も明確にされており、歯槽膿漏は”口の中だけの病気ではない”のです。

自宅でのケアと医院での治療は「両輪」

  • 自宅で:正しい歯磨き+フロス+食習慣改善
  • 医院で:歯石除去+再評価+プロケア

この2つを継続的に行うことが、最も確実な改善への道です。

よくあるご質問

歯槽膿漏の治療について、患者様からよくいただくご質問とその回答をご紹介します

Q

歯槽膿漏は完全に治りますか?

A

溶けた骨は完全には戻りませんが、治療で進行を止め、健康な状態に保つことは可能です。

Q

手術は痛いですか?

A

局所麻酔を使用するため、痛みはほとんどありません。術後も鎮痛薬で十分コントロールできます。

Q

再生治療(エムドゲイン法)は誰でも受けられますか?

A

骨の形・炎症の程度によって適応が限られます。CT検査で判断します。

Q

通院はどのくらい必要ですか?

A

軽度なら数回、重度の場合は3〜6ヶ月程度。治療後も定期管理が必要です。

Q

費用はどのくらいかかりますか?

A

保険診療で数千円〜、再生療法など自費治療を含むと1歯あたり5万円前後が目安です。

まとめ:歯槽膿漏の治療で健康な歯ぐきを取り戻しましょう

歯槽膿漏の治療は、「炎症を止める」「細菌を除去する」「組織を再生させる」という段階的なアプローチで行われます。 初期治療のスケーリング・ルートプレーニングで改善するケースも多く、重度の場合でも外科治療や再生療法で歯を残せる可能性があります。

治療法は進行度によって異なりますが、共通して言えるのは「早期発見・早期治療」の重要性です。 歯ぐきの腫れや出血、口臭などの症状を放置せず、早めに歯科医院を受診することで、治療期間も費用も最小限に抑えることができます。

また、治療後のメンテナンスが再発防止の鍵となります。 3〜4ヶ月ごとの定期検診と、毎日の丁寧なセルフケアを継続することで、健康な歯ぐきを維持できます。

ハギノ歯科では、患者様一人ひとりの症状に合わせた最適な治療プランをご提案しています。 歯槽膿漏でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

萩野 貴俊 副院長

この記事の監修者

ハギノ歯科 副院長
萩野 貴俊

愛知学院大学歯学部卒業。日本歯周病学会会員。 歯槽膿漏の治療において、患者様の歯を残すことを第一に考えた治療を行っています。 最新の再生療法も取り入れ、一人ひとりに最適な治療プランをご提案いたします。

歯槽膿漏の症状でお困りではありませんか?

ハギノ歯科では、軽度から重度まで、あらゆる段階の歯周病治療に対応しています。
歯ぐきの腫れや出血、口臭など、少しでも気になる症状がございましたら、
お早めにご相談ください。経験豊富なスタッフが丁寧にサポートいたします。