舌が痛いときは何科?受診の目安を解説(記事アイキャッチ)

舌が痛いときは何科?歯科に行っていい?様子を見てよい場合と受診の目安

結論からお伝えすると、舌の痛みは「舌の見た目」と「いつから続いているか」で、受診の目安が変わります。歯や詰め物が当たっているだけのこともあれば、できものが治らない、見た目は普通なのにヒリヒリするなど、相談する先が変わることもあります。

舌は食事や会話で毎日使う場所です。痛みが続くと「歯医者でいいのか、内科や耳鼻科なのか」「様子を見ていていいのか」と迷い、そのまま我慢してしまう方も少なくありません。この記事では、まず確認していただきたい2つの目安を先に整理し、そのあと痛みの種類ごとに受診の考え方をまとめました。

いなべ市のハギノ歯科では、口の中の気になる異変について、まずお気軽にご相談いただけるようにしています。見た目だけで原因を決めることはできませんので、この記事は自己診断ではなく、相談先を選ぶための手がかりとしてお使いください。

まず確認|舌の「見た目」と「いつから」で受診の目安が変わります

舌の痛みは、次の5つの様子に分けて考えると整理しやすくなります。鏡で舌の縁・表面・裏側を見て、いちばん近いものを探してみてください。

舌の様子考えられること相談先の目安
歯の尖った所・詰め物・被せ物・入れ歯が当たる当たる刺激による痛みやただれ歯科
白い・赤いできもの(口内炎のよう)口内炎は多くが数日〜2週間ほどで自然に治る。2週間以上治らないこともある2週間を過ぎたら歯科・口腔外科
なかなか治らない硬さのある潰瘍・しこり舌がんの可能性が挙げられる状態(潰瘍=粘膜がえぐれたように傷ついた状態)気づいた時点で歯科・口腔外科
舌が赤くヒリヒリして見える貧血などの全身の要因や、カンジダなどの感染が関わることがある内科の相談も。口の中は歯科でも確認
見た目は普通なのにヒリヒリ・ピリピリ舌痛症(原因がはっきりしない痛み)のことがある歯科で口の中を確認。専門医の相談先として精神科・心療内科が挙げられています

表の内容は、神奈川県歯科医師会の解説と日本口腔外科学会の解説にもとづく整理です(「歯科で口の中を確認」の部分は当院の考え方を含みます)。どれに当てはまるか自分で決める必要はありません。迷ったときは、口の中を直接見られる歯科にご相談ください。

歯・詰め物・被せ物が当たって痛むとき

舌の痛みの原因として、歯科で最も身近なのが「歯や詰め物・被せ物が舌に当たる」ことです。日本口腔外科学会は、むし歯で穴があいたり、歯がすり減って尖ったり、被せ物が破れたり、入れ歯が合わなくなったりした刺激で、舌がぴりぴりすることがよくあると説明しています(日本口腔外科学会「舌が痛い」)。

歯がなめらかな状態と、欠けて尖った歯の近くで舌の縁が赤くなった状態を比べた、歯列と舌のイメージ図
下の歯列を上から見たところ。左:歯の角がなめらかで、舌の縁に赤みがない状態。右:欠けて尖った歯の近くで、舌の縁が赤くなった状態。※イラストはイメージ図です(実際の症例写真ではありません)。

こんな特徴があれば、歯が原因のことがあります

  • 舌の縁の同じ場所が、繰り返し痛む
  • 痛む場所の近くに、欠けた歯・尖った歯・合わなくなった被せ物や入れ歯がある
  • 食事や会話のとき、舌が動くと痛みが強くなる

歯が欠けた直後は、断面が鋭くなって舌や頬の内側を傷つけやすくなります。応急処置と受診の目安は歯が欠けた・割れたときの記事に、詰め物や被せ物が取れた・破れたときの対応は詰め物・被せ物が取れたときの記事にまとめています。

このタイプの痛みは、当たっている原因を歯科で確認し、調整や治療をすることで対応できるものです。「舌が痛いだけで歯医者に行っていいのだろうか」と迷う必要はありません。

白い・赤いできものや、口内炎のように見えるとき

数日〜2週間が、ひとつの目安です

神奈川県歯科医師会の解説では、舌にできる口内炎は多くが数日〜2週間ほどで自然に治るとされています。その一方で、口内炎と思っていたものが2週間以上経っても治らないケースがあることも説明されています(神奈川県歯科医師会「舌が痛い」)。

痛みが日ごとに軽くなっているなら、刺激になるものを避けて少し経過をみて構いません。2週間を過ぎても変わらない、または痛みが強くなっていると感じたときは、受診をご検討ください。口内炎が治らないときの見分け方は口内炎が治らないときの受診の目安で詳しく解説しています。

「できもの」の種類によって、読む記事が変わります

硬いしこりや、治らない潰瘍があるとき

舌に硬さを伴う潰瘍がある場合は、舌がんの可能性が挙げられています(神奈川県歯科医師会)。がん情報サービスも、口の中のしこりや、口内炎がなかなか治らないことを症状のひとつとして示しています(がん情報サービス「口腔がん」)。

舌がんと決まったわけではなく、見た目だけで判断することもできません。ただ、硬いしこりや、なかなか治らないただれに気づいたときは、早めに歯科・口腔外科でご相談ください。当院としては、2週間を待たずにご相談いただくことをおすすめします。

見た目は普通なのにヒリヒリするとき/舌が赤く痛むとき

見た目に異常がないのに痛い|舌痛症

日本歯科医師会は、舌痛症を「はっきりとした原因が分からないまま、舌に痛みやしびれを感じる病気」と説明しています。「ヒリヒリ」「ピリピリ」とした灼熱感や、ジンジンとしたしびれがあり、熱いものや塩辛いものが食べられないといった訴えもあります。舌の先や縁に出ることが多く、痛みの場所が移ることもあります(日本歯科医師会「お口のなんでも相談 舌痛症」)。

ストレスの多い方や更年期の女性に発症しやすい傾向があるとされていますが、誰にでも起こりえますので、「気のせい」と決めつける必要はありません。舌痛症と考える前に、歯や詰め物による刺激、口の乾き、全身の要因がないかを確認することが大切です。日本口腔外科学会も、舌の痛みの原因を、刺激、口の乾燥、全身の病気、感染症などによる炎症、神経の痛みなど複数に分けて説明しています(日本口腔外科学会)。

神奈川県歯科医師会の解説では、舌痛症は精神科・心療内科など専門医の診断を仰ぐのがよいとされています。一方で、歯や詰め物・入れ歯による刺激が隠れていないかは、お口の中を見ないと分かりません。そのため当院では、まずお口の中の状態を確認することをおすすめしています。

舌が赤く、ヒリヒリ痛むとき

舌が赤くなって痛むときは、鉄欠乏性貧血やハンター舌炎(舌が赤くつるっとして痛む舌の炎症)、口腔カンジダ症などが挙げられています(神奈川県歯科医師会)。貧血や舌炎では内科の受診が目安とされており、全身の状態が関わっていることもあります。

お口の中の状態は歯科でも確認できます。口の中だけの問題か、全身の相談も必要かを見きわめる入口として、ご相談いただくことも可能です。

早めに受診したいサインと、歯科に相談するとき

次のような変化があるときは、早めにご相談ください

次の変化は、がん情報サービスや神奈川県歯科医師会が、口腔がんなどの症状として挙げているものです。これらが続いているときや、だんだん強くなるときは、様子を見すぎずにご相談ください。1つ当てはまったからといって、病気と決まるわけではありません。

  • 口内炎のようなものが、2週間以上治らない
  • 舌や口の中に、硬いしこりがある
  • 粘膜が赤く、または白く変色したまま続く
  • 粘膜のただれ(表面がやぶれたような状態)・痛み・出血が治らず続く
  • 口が開けにくい・食事が飲み込みにくい・話しにくい

「口の中に違和感があると感じたときには、鏡で口の中を確認してみましょう」と、がん情報サービスも勧めています。気になる症状があるときは、耳鼻咽喉科や歯科口腔外科、頭頸部外科などの医療機関を早めに受診することが大切とされています(がん情報サービス「口腔がん」)。

ハギノ歯科に相談するとき

舌の痛みの原因が、歯や詰め物にあるのか、それ以外にあるのかを見きわめるには、まずお口の中を直接拝見することが必要です。当院では、お口の中を拝見して、歯や詰め物・被せ物による刺激がないかを確認します。専門的な検査が必要と考えられる場合は、適切な医療機関をご案内します。当院の口腔外科のご案内(親知らず・顎関節症・外傷など)もあわせてご覧ください。

受診するまでの過ごし方

  • 刺激の強いものを控える:熱いもの・辛いもの・酸味の強いものなど、しみるものは避けます
  • 舌を噛んだり、こすったりしない:無意識に舌を噛んだりこすったりする癖が、痛みの背景になることがあります
  • 尖った部分を舌で触り続けない:気になっても、触るほど傷が広がります
  • お口の中を清潔に保つ:歯みがきは、痛む場所を避けてやさしく行います

よくあるご質問

舌の痛みについて、患者様からよくいただくご質問とその回答をご紹介します

Q

舌が痛いとき、何科に行けばいいですか?

A

舌の見た目と痛みの出方で相談先の目安が変わります。歯や詰め物・入れ歯が当たっている、口内炎のようなできものが治らない、硬いしこりやただれがある場合は、歯科・口腔外科が目安です。舌が赤く痛む場合は、貧血などの全身の要因が関わるときに内科、見た目は普通なのにヒリヒリする舌痛症では精神科・心療内科が相談先として挙げられています(神奈川県歯科医師会)。どこに行くか迷うときは、口の中を直接確認できる歯科にまずご相談ください。

Q

口内炎のようなものは、何日くらい様子を見てよいですか?

A

神奈川県歯科医師会の解説では、口内炎は多くが数日〜2週間ほどで自然に治るとされています。一方で、口内炎と思っていたものが2週間以上治らないこともあるため、2週間を過ぎても治らない場合は受診をご検討ください。痛みが強くて食事に支障があるときは、2週間を待たずにご相談いただいて構いません。

Q

舌が痛いと、舌がんではないかと心配です。

A

舌が痛いという症状だけで、舌がんと決まるわけではありません。ただし、がん情報サービスは、口の中のしこり、口内炎がなかなか治らない、粘膜のただれ・痛みや出血、口が開けにくい、食事が飲み込みにくいといった症状を挙げ、気になる症状があるときは耳鼻咽喉科や歯科口腔外科、頭頸部外科などを早めに受診することが大切だと説明しています(国立がん研究センター がん情報サービス「口腔がん」)。ご心配なときは、一人で悩まずにご相談ください。

Q

見た目は普通なのにヒリヒリします。受診したほうがいいですか?

A

見た目に異常がなくても、痛みが続くときは相談をおすすめします。日本口腔外科学会は、症状が長く続くようなら受診をすすめています(日本口腔外科学会「舌が痛い」)。見た目は普通でも、歯や詰め物による刺激、口の乾き、全身の要因が隠れていることがあるため、まず口の中の状態を確認することが大切です。原因がはっきりしない舌痛症という状態もあります。

Q

歯が当たって舌が痛いとき、自分で削ったりしてもいいですか?

A

ご自身で削ったり、やすりをかけたり、市販の接着剤で固定したりするのは避けてください。お口の中を傷つけたり、歯をいためたりするおそれがあります。尖った部分が気になる間は、舌で触り続けないようにして、早めに歯科でご相談ください。当たっている歯や詰め物・被せ物・入れ歯を確認し、必要な対応をご相談します。

Q

受診するとき、何を伝えればよいですか?

A

次の3点を伝えていただけると、お口の中を確認しやすくなります。①いつからか(今朝から・数日・数週間など)、②どこが、どんなときに痛むか(舌の先・縁・裏・奥/食事のとき・何もしなくても)、③気になる歯や詰め物・入れ歯、服用中のお薬や持病。うまく説明できなくても大丈夫です。気づいたことをそのままお伝えください。

いなべ市でお口の違和感にお困りの方へ。桑名市・東員町・四日市市など、近隣のみなさまからのご相談もお待ちしています。「舌が痛いだけで受診してよいのだろうか」と迷われたときこそ、まずはお気軽にご相談ください。

舌の痛みが続いて、お困りではありませんか?

お口の中を拝見して、歯や詰め物による刺激がないかを確認します。
気になる症状があるときは、お電話またはWeb予約でお気軽にご相談ください。

まとめ:舌の痛みは「見た目」と「期間」で相談先を選びましょう

舌の痛みは、歯や詰め物が当たっているもの、口内炎のようなできもの、見た目は普通なのにヒリヒリするもの、舌が赤く痛むものなど、様子によって考え方が変わります。

口内炎のようなものは、多くが数日〜2週間ほどで治るとされています。2週間を過ぎても治らないとき、硬いしこりがあるとき、ただれや出血が続くときは、様子を見すぎずにご相談ください。

どこに相談すればよいか迷うときは、お口の中を直接確認できる歯科が、相談の入口になります。この記事は自己診断のためのものではなく、診断は診察で行います。つらい症状を我慢せず、どうぞお気軽にお問い合わせください。

萩野 貴俊

この記事の監修者

ハギノ歯科 副院長
萩野 貴俊

いなべ市大安町で40年以上、地域の皆さまのお口の健康を見守ってまいりました。お口の中の気になる症状は、我慢せずにお気軽にご相談ください。早くご相談いただけるほど、選択肢は広がります。