虫歯じゃないのに歯が痛い・奥歯が痛いときは?歯が原因ではない痛みと受診の目安(記事アイキャッチ)

虫歯じゃないのに歯が痛い・奥歯が痛いときは?歯が原因ではない痛みと受診の目安

結論からお伝えすると、虫歯がなくても、歯や奥歯が痛むことはあります。歯の根の感染や歯周病など、虫歯以外の歯のトラブルのことがあれば、筋肉や鼻、頭痛、心臓など、歯とは別の場所に原因があって歯が痛く感じることもあります。後者は「非歯原性歯痛(ひしげんせいしつう)」と呼ばれます(日本歯科医師会「非歯原性歯痛」)。

原因が分からない痛みは不安なものですが、どちらなのかをご自身で見分けるのは難しいです。そのため当院では、まず歯科で「歯に原因があるかどうか」を確かめていただくことをおすすめしています。

ただし、歩くなど体を動かしたときに発作のように痛む、胸の痛みや息苦しさを伴う、顔や口の粘膜の水ぶくれと激しい痛みがあるときは、歯科を待たずに受診してください。この記事では、痛み方ごとの受診の目安を先に整理し、そのあと、歯が原因ではない痛みの種類と、歯科で確かめることをまとめました。

いなべ市のハギノ歯科でも、「虫歯はないと言われたのに痛い」というご相談をお受けしています。この記事は自己診断ではなく、相談先を考える手がかりとしてお使いください。

まず確認|虫歯じゃない歯の痛み・奥歯の痛みの受診の目安

いまの痛み方にいちばん近いものを、下の表で確かめてみてください。当てはまるものがなくても、痛みが続くときは歯科でご相談ください。

いまの様子考えられること受診の目安
歩くなど体を動かしたときに、発作のように歯が痛む狭心症や心筋梗塞など、心臓の病気に関連していることがある早急に心臓の専門家(循環器内科など)へ。胸の痛みや息苦しさがあれば119番
顔や口の粘膜に水ぶくれができ、激しい痛みが続く帯状疱疹のことがある速やかに医療機関へ
冷たいもの・熱いものはしみないが、痛みが強い歯の根のほうの細菌感染、歯周病など早めに歯科へ
奥歯のあたりが、なんとなく鈍く痛む。1日中痛む、または出たり引っ込んだりするあごを動かす筋肉の痛みを、歯の痛みとして感じていることがあるまず歯科で確認
かぜのあとなどに、上の奥歯のあたりが痛む上の奥歯の上にある空洞(上顎洞)の炎症のことがあるまず歯科で確認。鼻からの影響であれば耳鼻咽喉科へ
電気が走るような激痛が一瞬起こる。洗顔や歯磨きのときに起こることがある神経痛のことがある早めに歯科で相談し、必要に応じて専門家へ
頭痛と一緒に、歯が痛む片頭痛などの症状のひとつのことがある頭痛の専門家へ。迷うときは歯科で確認

表の「考えられること」は、「冷たいもの・熱いものはしみない」の行が日本口腔外科学会「歯が痛い」、ほかの行が日本歯科医師会「非歯原性歯痛」の解説をもとにしています。「受診の目安」のうち、「早急に心臓の専門家へ」は日本歯科医師会の解説によるもので、ほかは(循環器内科などの例示も含め)その内容に当院の考え方を加えて整理したものです。

胸の痛みや息苦しさを伴うときは、ためらわず救急車(119番)を呼んでください。これは当院からのお願いです。

歯が原因の痛みと、歯が原因ではない痛み

歯の痛みの多くは、やはり歯が原因です

日本歯科医師会によると、お口の中やそのまわりの痛みの多くは、歯の中の神経(歯髄)や、歯を支える組織(歯周組織)が原因で起こる痛みです。これを「歯原性歯痛」といいます(日本歯科医師会「非歯原性歯痛」)。日本口腔外科学会も、歯が痛いときはまず虫歯が疑われるとし、冷たいものや熱いものがしみないのに痛みが強い場合は、歯の根のほうの細菌の感染が疑われるとしています。歯自体ではなく、歯周病など歯のまわりの病気のこともあります(日本口腔外科学会「歯が痛い」)。

つまり「虫歯じゃない」と感じていても、歯の根や歯のまわりに原因があることもあります。歯のまわりの病気で起こる痛みは、歯科の治療が必要です。

歯を治療しても良くならない痛みもあります

一方で、歯には原因がないのに、歯が痛いと感じることがあります。これが「非歯原性歯痛」です。日本歯科医師会は、これを「歯を治療しても良くならない痛み」と説明しています。原因とは別の場所に感じる痛みは「関連痛」と呼ばれ、それが歯や歯ぐきに生じると、異常がないのに歯が痛むことになります。痛みの元としては、あごを動かす筋肉、心臓などの内臓、頬の奥にある空洞(上顎洞〔じょうがくどう〕)などが挙げられています(日本歯科医師会「非歯原性歯痛」)。

上の奥歯の根のすぐ上に、上顎洞という空洞があることを示す、縦断面のイメージ図
顔を正面から見て、上あごを縦に切ったところ。青い部分が上顎洞で、上の奥歯の根のすぐ上にあります。※イラストはイメージ図です(実際の症例写真ではありません)。

歯を削る前に、確かめることが大切です

歯が原因ではない痛みを歯の治療で治そうとしても、痛みの元は残るため、痛みは消えません。日本歯科医師会は、歯を削る、神経を取る、抜くといった治療は元に戻せないため、痛みには慎重に対応する必要があるとしています。たまたま痛くない時期に治療をすると、治ったように見えてしまうこともあるとされています(日本歯科医師会「非歯原性歯痛」)。

歯が原因ではない痛みの種類と相談先

日本歯科医師会の解説をもとに、主なものを整理しました。原因が違えば治療法も、担当する診療科も変わります。

種類特徴主な相談先
筋肉からくる痛み(筋・筋膜性歯痛)あごを動かす筋肉の慢性的な疲れが関わるとされる。主に上下の奥歯に、漠然とした鈍い痛みまず歯科で確認し、専門家に相談
神経痛(神経障害性歯痛)瞬間的な電撃のような激痛、または焼けつくような痛みが続く。帯状疱疹に関連するものもある専門家・専門医
頭痛に伴う痛み(神経血管性歯痛)片頭痛や群発頭痛の症状のひとつ。歯の治療では効果がない頭痛の専門家
心臓に関連する痛み(心臓性歯痛)発作のように起こり、歩行など体を動かすことと関係する心臓の専門家(循環器内科など・早急に)
上顎洞に関連する痛み(上顎洞性歯痛)かぜなどで起こる副鼻腔の炎症に関連するまず歯科で確認。鼻からの影響であれば耳鼻咽喉科
原因がはっきりしない痛み(特発性歯痛)時間がたつと症状が変わり、内容がはっきりすることもある歯科で経過を相談

表は日本歯科医師会「非歯原性歯痛」の解説をもとにしています。うつ病など、こころの病気の症状として歯痛が出ることもあり、その場合は精神科での対応が必要とされています(同)。「主な相談先」のうち「まず歯科で確認」「歯科で経過を相談」「循環器内科など」は、当院の考え方です。

日本歯科医師会は、実際には多彩な症状の中から本当の原因を探り当てるのは難しく、医療者と協力して痛みに対応していく姿勢が大切だとしています(同)。「異常がない」と言われても、痛みがなくなったわけではありません。痛み方の変化を記録しておくと、相談のときに役立ちます。

歯科で確かめること|ハギノ歯科に相談するとき

まず、歯に原因がないかを確認します

当院では、お口の中の確認と、必要に応じてレントゲンで、虫歯や歯の根の状態、歯周病がないかを確かめます。歯に原因があれば、その治療についてご説明します。歯に原因が見当たらない場合は、痛み方をお聞きしたうえで、必要に応じて適切な診療科をご案内します。一度の診察で原因が分からないこともありますので、経過も含めてご相談ください。当院の診療内容は虫歯治療・一般歯科のご案内をご覧ください。

受診のときに伝えていただきたいこと

  • 痛む場所と、いつごろからか:どの歯か分からなくても、「右上の奥のあたり」などで大丈夫です
  • どんなときに痛むか:噛んだとき、冷たいものを口にしたとき、朝起きたとき、体を動かしたときなど
  • 痛み方:ズキズキ、鈍い、電気が走るようなど、感じたままの言葉で
  • 一緒に起きていること:頭痛、鼻の不調、肩や首のこり、胸の症状など
  • これまでの治療歴と、服用中のお薬・持病

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よくあるご質問

虫歯がないのに歯が痛いときについて、患者様からよくいただくご質問とその回答をご紹介します

Q

虫歯がないのに歯が痛いことはありますか?

A

あります。日本口腔外科学会は、歯の根のほうの細菌の感染や歯周病など歯のまわりの病気を挙げています(日本口腔外科学会「歯が痛い」)。日本歯科医師会は、筋肉や神経、頭痛、心臓、上顎洞など、歯とは別の場所に原因がある痛みを「非歯原性歯痛」として説明しています(日本歯科医師会「非歯原性歯痛」)。ご自身で見分けるのは難しいため、まず歯科で確かめてください。ただし、歩くなど体を動かしたときに発作のように痛む、胸の痛みや息苦しさを伴う、顔や口の粘膜の水ぶくれと激しい痛みがあるときは、歯科を待たずに受診してください。

Q

奥歯が痛いだけで、歯医者に行ってもいいですか?

A

どうぞご相談ください。日本歯科医師会によると、お口のまわりの痛みの多くは歯が原因で、歯の治療が必要です(日本歯科医師会「非歯原性歯痛」)。歯に原因が見当たらない場合は、必要に応じて適切な診療科をご案内します。

Q

かぜをひくと、上の奥歯が痛くなるのはなぜですか?

A

上の奥歯の上には、上顎洞という空洞があります。日本歯科医師会は、上顎洞の病気で歯痛が生じることがあり、副鼻腔はかぜなどで炎症を起こすことがあるとしています。鼻からの影響で起きている場合の治療は耳鼻咽喉科が行うとされています(日本歯科医師会「非歯原性歯痛」)。歯そのものに原因がないかは、歯科で確かめることをおすすめします。

Q

歯の治療をしたのに痛みが続きます。どうしたらいいですか?

A

治療を受けた歯科に、痛みが続いていることをお伝えください。日本歯科医師会は、歯が原因ではない痛みは歯の治療では解消されず、歯を削る・神経を取る・抜くといった治療は元に戻せないため、慎重な対応が必要だとしています(日本歯科医師会「非歯原性歯痛」)。別の原因の可能性も含めて相談することが大切です。

Q

肩こりや首のこりで、歯が痛くなることはありますか?

A

あります。日本歯科医師会は、あごを動かす筋肉の痛みが歯の痛みとして感じられることがあり、場合によっては首や肩の筋肉に関連して歯痛が生じることもあるとしています。専門家への相談が勧められています(日本歯科医師会「非歯原性歯痛」)。まずは歯に原因がないかを確かめ、必要に応じて適切な診療科をご案内します。

Q

ほかの歯科で「虫歯はない」と言われました。相談できますか?

A

ご相談いただけます。言われた内容や、これまでの治療の経過、痛み方の変化をお伝えください。お口の中と、必要に応じてレントゲンで状態を確認し、歯に原因が見当たらない場合は、必要に応じて適切な診療科をご案内します。

いなべ市で、虫歯がないのに歯が痛くてお困りの方へ。桑名市・東員町・四日市市など、近隣のみなさまからのご相談もお待ちしています。「どこに相談すればよいか分からない」というときこそ、まずはお気軽にご相談ください。

その歯の痛み、一度ご相談ください

お口の中と、必要に応じてレントゲンで、虫歯や歯の根、歯周病の状態を確認します。
お電話またはWeb予約でお気軽にご相談ください。

まとめ:虫歯じゃない痛みも、まず歯科で確かめましょう

虫歯がなくても、歯の根の感染や歯周病で歯が痛むことがあります。また、筋肉、神経、頭痛、心臓、頬の奥の空洞(上顎洞)など、歯とは別の場所に原因がある痛み(非歯原性歯痛)もあります。

どちらなのかをご自身で見分けるのは難しいです。歯の痛みの多くは歯が原因ですので、まず歯科で確かめてください。歩くなど体を動かすと痛む、胸の症状を伴う、水ぶくれと激しい痛みがあるといったときは、歯科を待たずに受診してください。

この記事は自己診断のためのものではなく、診断は診察で行います。気になる痛みがあれば、どうぞお気軽にお問い合わせください。

萩野 貴俊

この記事の監修者

ハギノ歯科 副院長
萩野 貴俊

いなべ市大安町で約40年、地域の皆さまのお口の健康を見守ってまいりました。歯が痛いのに原因が分からないときは、不安なものです。痛み方をそのままお聞かせください。