子どもの歯磨き習慣をつける5つのコツ
~”仕上げ磨きが戦い”にならないために~

はじめに

子どもの歯磨き、毎日のように「イヤ!」「やめて!」と格闘していませんか? 嫌がる子どもと押さえつけて磨くのは、親にとってもストレスです。

しかし、「歯磨き=嫌なこと」という印象を持たせてしまうと、 将来的に歯医者嫌い・ケア嫌いの原因になってしまうこともあります。

歯磨きを”楽しみながら習慣化”させるには、ポイントがあります。 このコラムでは、親子で笑顔になれる「歯磨き習慣づくりのコツ」を5つにまとめてご紹介します。

① 歯が生えたらすぐにスタート

歯磨きの開始は「最初の1本が生えたとき」がベストタイミングです。

  • 最初は歯ブラシを使わず、清潔なガーゼや綿棒で優しく拭く程度から始めます
  • 重要なのは、「お口の中を触られること」に慣れてもらうこと
  • 笑顔で声をかけながら短時間で終えることがポイント
  • 「磨く」より「慣れる」が、将来の歯磨き嫌いを防ぐ第一歩です

② 親が笑顔で”お手本”を見せる

子どもは親のまねをするのが大好きです。親が楽しそうに歯磨きをしている姿を見せることが、最高の教育になります。

  • 一緒に鏡の前に立って、「お母さんの歯ピカピカでしょ」「一緒にやろうね」と声をかける
  • “親が見本になる”ことで、歯磨きが楽しい時間になります
  • 親子のコミュニケーションタイムとして、歯磨きを位置づけましょう

③ 「いやいや期」を上手に乗り切る

2〜3歳のイヤイヤ期は、どんな子でも歯磨きを嫌がるものです。 無理に押さえつけると「歯磨き=怖い」と記憶に残ってしまいます。

工夫の例

  • 歯磨きの歌を流す:リズムに合わせて楽しく磨く
  • 歯磨きアプリでタイマーを使う:ゲーム感覚で時間を管理
  • 「ぴかぴか競争」などゲーム感覚で磨く:競争心を上手に活用

磨けなかった日は叱るのではなく、「明日は一緒にがんばろうね」と励ます姿勢が大切です。 続けることが何より重要なポイントとなります。

④ 年齢別の磨き方と仕上げ磨きのコツ

お子様の年齢に応じて、適切な歯磨きのアプローチが変わります。 成長段階に合わせた磨き方を理解することで、効果的な虫歯予防が可能になります。

年齢磨き方のポイント保護者の役割
0〜2歳ガーゼ or 小さなブラシで短時間お口を触る練習を中心に
3〜5歳子どもに持たせて仕上げ磨き「一緒に磨こうね」で遊び感覚
6〜10歳自分磨き+仕上げ磨き併用夜は必ず親がチェック
10歳以降自立をサポート定期検診でプロケアを継続

奥歯の噛み合わせ部分や歯と歯の間は、最も虫歯になりやすいポイントです。 ヘッドの小さい歯ブラシを使い、角度をつけて磨くよう意識しましょう。

⑤ 歯磨きの”終わり方”を楽しくする

歯磨きの後の工夫が、次回の歯磨きへのモチベーションにつながります。

  • 歯磨きの後は、「ハイタッチ!」で達成感を共有
  • 「シールを貼ろう!」など、見える形で成果を記録
  • 歯磨きが”叱られる時間”ではなく、”褒められる時間”になるように工夫
  • 「歯がピカピカになったね!」という一言が、子どもにとって最高のご褒美

継続のコツ:「1日1回”真剣に”」

理想は1日3回ですが、現実的には難しい日もあります。 そんな時でも「夜だけは必ず仕上げ磨き」を続けることが大切です。

  • 夜の重要性:寝ている間は唾液の量が減るため、虫歯菌が最も活発になる時間帯
  • 予防効果:夜の1回を大切にするだけで、虫歯予防効果は大きく変わります
  • 習慣化:毎日同じ時間に行うことで、自然な習慣として定着します

よくあるご質問

子どもの歯磨きに関して、保護者の方からよくいただくご質問とその回答をご紹介します

Q

仕上げ磨きはいつまで必要?

A

10歳くらいまでが理想です。永久歯が奥に生えそろうまでは磨き残しが多くなるため、親のサポートが欠かせません。

Q

歯磨きを嫌がるときは?

A

無理に続けず、タイミングを変えてみましょう。寝る前ではなく朝やお風呂後など、機嫌のいい時間に行うのがおすすめです。

Q

電動歯ブラシを使っても大丈夫?

A

小学校低学年以降ならOKです。使用時は保護者が持ち方を教え、安全にサポートしてください。

Q

歯磨き粉はいつから使えばいい?

A

歯が生えたら使用できます。0歳からでもフッ素入りの低濃度タイプ(500ppm程度)を選びましょう。

Q

子どもが自分で磨くとき、どんなブラシがいい?

A

ヘッドが小さく、毛が柔らかい子ども用歯ブラシが最適です。キャラクター入りなど楽しく選べるものが続けやすさのコツです。

まとめ:歯磨き習慣づくりは”関係づくり”

歯磨き習慣づくりは、技術よりも”関係づくり”です。 親子で楽しく続けることが、最良の虫歯予防になります。

いなべ市のハギノ歯科では、年齢に応じたブラッシング指導・仕上げ磨きトレーニングを行い、 「歯磨き嫌いを笑顔に変える」サポートをしています。

お子様の歯磨きでお悩みの保護者の方は、ぜひ一度ご相談ください。 一緒に、お子様に合った歯磨き習慣を見つけていきましょう。

萩野 貴俊 副院長

この記事の監修者

ハギノ歯科 副院長
萩野 貴俊

愛知学院大学歯学部卒業。日本小児歯科学会会員。 子どもたちの健康な歯を守るため、楽しく通える歯科医院づくりに取り組んでいます。 お子様の歯磨き習慣づくりも、親身にサポートいたします。

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ハギノ歯科では、お子様一人ひとりに合わせた歯磨き指導を行っています。
歯磨き嫌いを克服し、楽しく習慣づけるお手伝いをさせていただきます。
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