大人の歯がグラグラするのは様子を見ていい?受診が必要なぐらつきの見分け方
結論からお伝えすると、大人の歯は、乳歯のように「ぐらついて、抜けて、生え替わる」ことはありません。指で押して動くと分かる、舌で触ると動く。その時点で、歯を支えている土台に何かが起きているサインです。
原因でいちばん多いのは歯周病ですが、ぶつけた・強く食いしばった・根の先に炎症がある・根が割れている、といった別の原因でも同じように動きます。どれが原因かで「様子を見てよいか」「急いだほうがよいか」が変わるため、この記事では見分け方を先に整理します。
いなべ市のハギノ歯科でも「気のせいだと思って数か月経ってしまった」というご相談は少なくありません。歯のぐらつきは、我慢できてしまうぶん受診が遅れやすい症状です。
歯はどうやって支えられているのか
様子を見てよいぐらつき、受診が必要なぐらつき
考えられる5つの原因
ぐらついた歯は元に戻るのか
受診の目安を3段階で整理する
よくあるご質問
歯のぐらつきについて、患者様からよくいただくご質問とその回答をご紹介します
一度ぐらついた歯は元に戻りますか?
原因によります。ぶつけた直後に固定できた場合や、食いしばり、根の先の炎症が原因の場合は、原因を取り除くと動きが落ち着くことが期待できます。一方、歯周病で減った骨は基本的に元に戻らないため、治療の目標は進行を止めることになります。炎症が引くと動きが小さくなることはあります。
グラグラする歯は抜くしかないのですか?
ぐらついている=抜歯、ではありません。動きの程度、骨がどれだけ残っているか、原因が何かによって、残せる歯は多くあります。ただし重度の歯周病や根が割れている場合は、残すことが難しいこともあります。検査をしてから判断しますので、まずはご相談ください。
自分で固定したり、市販薬で治したりできますか?
おすすめしません。接着剤などで固定すると歯ぐきを傷め、その後の治療の妨げになります。市販薬で歯ぐきの腫れが一時的に軽くなることはあっても、減った骨は戻りません。ご自宅では、動く歯で硬いものを噛まない、揺らして確かめない、やさしくみがく、の3つにとどめてください。
ぶつけて歯がグラグラします。いつまでに受診すればよいですか?
できるだけ当日、遅くとも翌日のうちに受診してください。早い段階で隣の歯と固定できれば、歯根膜が回復して落ち着くことが期待できます。時間が経つほど選択肢が減ります。歯が完全に抜け落ちた場合は、歯を水で洗ったり乾かしたりせず、牛乳などに入れてできるだけ早く(可能なら1時間以内に)ご連絡ください。
痛みはないのにグラグラします。放置してよいですか?
痛みがないことは安心材料になりません。歯周病は痛みが出にくく、ぐらつきに気づいた時点で中等度以上に進んでいることが珍しくありません。指で押して明らかに動く、1週間以上続く、歯みがきで血が出る、といった場合は、痛みがなくても受診をおすすめします。
子どもの歯がグラグラしています。受診が必要ですか?
乳歯のぐらつきは、生え替わりの過程で起こる正常な変化であることがほとんどです。ただし、ぶつけた後に動く、痛みや腫れがある、永久歯(大人の歯)が動いている、なかなか抜けずに新しい歯が変な位置から生えてきた、といった場合はご相談ください。
いなべ市でお口のことにお困りの方へ。「気のせいかもしれない」という段階でご相談いただけると、残せる歯は増えます。
歯のぐらつきが気になっていませんか?
指で押すと動く、1週間以上続いている——そんなときは一度ご相談ください。
「心配ないと確かめる」ための受診も歓迎しております。
まとめ
大人の歯のぐらつきは、乳歯と違って自然に「抜けて生え替わる」ことはありません。指で押して動くと分かる時点で、歯を支える骨か歯根膜に問題が起きているサインです。
見分ける手がかりは、①明らかに動くか ②痛み・腫れ・出血を伴うか ③1週間以上続くか ④複数の歯か。これらに当てはまるときは、原因が歯周病である可能性を考えて受診してください。ぶつけた場合だけは、様子を見ずに当日〜翌日に。
歯周病で減った骨は基本的に戻りませんが、動きが小さいうちに気づけば、進行を止めて歯を残せる可能性は高くなります。「気のせいかもしれない」の段階が、いちばん選択肢の多い段階です。
この記事の監修者
ハギノ歯科 副院長
萩野 貴俊
いなべ市大安町で約40年、地域の皆さまのお口の健康を見守ってまいりました。歯のぐらつきは「まだ噛める」うちは受診が後回しになりがちな症状です。動きが小さいうちにお越しいただければ、できることはずっと多くなります。
