歯槽膿漏の原因とは?
歯垢・細菌・生活習慣との関係

「毎日ちゃんと歯を磨いているのに、なぜ歯槽膿漏になるの?」
実はその疑問、非常に多くの患者様が抱えています。

歯槽膿漏(しそうのうろう)は、単なる”歯ぐきの病気”ではなく、細菌・免疫・生活習慣・ストレスなど複数の要因が絡み合って起こる慢性疾患です。 そのため、原因を正しく理解し、生活全体を整えないと再発を繰り返してしまいます。

この記事では、歯槽膿漏の主な原因を「細菌性」「生活習慣」「体質・全身状態」の3つの観点から詳しく解説します。 自分に当てはまるリスクを知ることで、早期の対策が取れるようになります。

歯槽膿漏の第一原因は「プラーク(歯垢)」

プラークとは?

歯の表面に付着する白っぽいネバネバした汚れ。 実はその正体は細菌の塊で、1mgあたり約10億個もの細菌が潜んでいます。

食後8時間ほどで形成が始まり、放置すると石灰化して歯石になります。 このプラーク中の細菌が、歯ぐきに炎症を起こす「歯周病菌」です。

代表的な歯周病菌

  • P.g.菌(Porphyromonas gingivalis):歯槽骨を破壊する毒素を出す
  • T.f.菌(Tannerella forsythia):慢性炎症を維持する
  • A.a.菌(Aggregatibacter actinomycetemcomitans):若年性歯周炎を引き起こす

これらの菌が歯と歯ぐきの境目(歯周ポケット)に入り込み、炎症を深部に広げていくのです。

プラークから歯槽膿漏へ至るメカニズム

  1. プラークの蓄積:歯ぐきの炎症(歯肉炎)が始まる
  2. 歯周ポケットの形成:ポケット内で嫌気性菌が増殖し、炎症が拡大
  3. 歯槽骨の吸収:炎症性サイトカイン(IL-1β、TNF-αなど)が骨を溶かす
  4. 膿・出血・歯の動揺:「歯槽膿漏」の状態に到達

つまり、毎日の歯磨きでプラークを除去できるかどうかが、歯槽膿漏を防ぐ最大の分かれ道です。

生活習慣も大きく関係する

プラークが「引き金」なら、生活習慣は「燃料」です。
以下のような生活習慣が、炎症を悪化させたり免疫を弱らせたりします。

喫煙

  • タバコは血流を悪化させ、歯ぐきに酸素が届かなくなる
  • 免疫細胞(白血球)の働きを弱め、炎症を抑えられなくなる
  • 歯ぐきが硬くなり、出血が見えにくくなる(症状に気づきにくい)

喫煙者は非喫煙者の約3倍、歯槽膿漏リスクが高いと言われています。

不規則な生活・ストレス

  • 睡眠不足や強いストレスはホルモンバランスを崩し、免疫低下を引き起こす
  • 唾液分泌が減り、細菌が繁殖しやすくなる

➡ ストレス社会では「歯ぐきの腫れ=体調サイン」と捉えることも大切です。

食生活の乱れ

  • 糖質過多(甘い飲料・間食)は細菌の栄養源となる
  • 野菜・タンパク質・ミネラル不足は歯ぐきの抵抗力を低下させる
  • 栄養バランスの悪化は歯ぐきの再生を妨げる

➡ 歯槽膿漏予防には、カルシウム・ビタミンC・コラーゲン生成を助けるたんぱく質が欠かせません。

歯ぎしり・食いしばり

  • 就寝中の強い咬合力が歯周組織を傷つける
  • 骨に過剰な負担がかかり、吸収が進行

➡ ナイトガード(マウスピース)の使用で負担を軽減できます。

体質・全身状態も影響する

歯槽膿漏は「口だけの病気」ではありません。
体の免疫状態やホルモン変化も大きく関係します。

糖尿病

歯周病は糖尿病の第6の合併症と呼ばれるほど密接。 血糖値が高いと血流が悪くなり、感染防御力が低下します。

また、歯周病菌が作る炎症性物質が血糖コントロールを悪化させるため、悪循環が生まれます。
➡ 糖尿病の方は、歯科と内科の両方での管理が重要です。

女性ホルモンの影響

思春期・妊娠・更年期はホルモン変動により、歯ぐきの炎症が起こりやすくなります。 特に妊婦では「妊娠性歯周炎」と呼ばれる歯ぐきの腫れが見られ、早産のリスクにも関連。

➡ 妊娠中も安心して受けられるクリーニング・定期健診を推奨します。

遺伝・体質的要因

歯周病菌に対する免疫応答や唾液の成分は個人差があります。 家族に歯槽膿漏の方が多い場合、遺伝的に炎症反応が強い傾向があることも。

➡ 若いうちからの定期チェックで早期発見を。

ハギノ歯科での原因分析と治療方針

いなべ市のハギノ歯科では、 「なぜ歯槽膿漏になったのか」を患者ごとに分析し、原因から治す治療を重視しています。

  1. 歯周ポケット検査とレントゲン分析: 骨の吸収・細菌活動の範囲を可視化
  2. バイオフィルム除去(SRP): 歯ぐきの下の細菌膜を丁寧に除去
  3. 生活習慣カウンセリング: 食事・喫煙・ストレス・睡眠などを一緒に見直し
  4. メンテナンスプログラム: 3〜4か月に一度の検診で再発を防ぐ

詳細は👉 歯周病治療ページはこちら

歯槽膿漏を防ぐ「今日からできる3つの習慣」

1️⃣ 寝る前の1回を完璧に磨く

寝ている間は唾液が減り、細菌が最も増えやすい時間帯です。

2️⃣ 歯間ブラシ+デンタルフロスを毎日使用

歯ブラシだけでは約60%しか汚れを落とせません。

3️⃣ 舌も軽く磨く or 舌ブラシ使用

細菌は舌の表面にも多く存在します。口臭予防にも効果的です。

よくあるご質問

歯槽膿漏の原因に関して、患者様からよくいただくご質問とその回答をご紹介します

Q

歯槽膿漏の一番の原因は何ですか?

A

もっとも直接的な原因は「歯垢(プラーク)」の蓄積による細菌感染です。生活習慣がそれを悪化させます。

Q

遺伝で歯槽膿漏になりやすいことはありますか?

A

はい。免疫反応の強さや唾液の成分によって炎症が起こりやすい体質があります。

Q

ストレスでも歯槽膿漏になりますか?

A

なります。ストレスによる免疫低下・唾液減少が細菌の増殖を助けます。

Q

甘いものを控えるだけで歯槽膿漏は防げますか?

A

糖分制限は一因に過ぎません。清掃・睡眠・栄養・禁煙がセットで効果を発揮します。

Q

タバコをやめると歯槽膿漏は治りますか?

A

すぐに治るわけではありませんが、禁煙後3〜6か月で歯ぐきの血流・再生力が改善します。

まとめ:原因を知れば歯槽膿漏は防げる

歯槽膿漏の原因は、単純な「歯磨き不足」だけではありません。 プラーク中の細菌が直接的な原因となり、生活習慣や体質的要因が複雑に絡み合って発症・進行します。

重要なのは、自分のリスク要因を正しく認識し、それに応じた対策を取ること。 喫煙者なら禁煙を、ストレスが多い方は生活リズムの見直しを、糖尿病の方は血糖コントロールと並行した歯周病管理が必要です。

ハギノ歯科では、患者様一人ひとりの原因を詳しく分析し、 その方に最適な治療プランをご提案しています。 「なぜ歯槽膿漏になったのか」を理解することが、根本的な改善への第一歩です。

歯ぐきの腫れや出血、口臭など、少しでも気になる症状がある方は、 早めの受診をおすすめします。早期発見・早期治療が、あなたの歯と健康を守ります。

萩野 貴俊 副院長

この記事の監修者

ハギノ歯科 副院長
萩野 貴俊

愛知学院大学歯学部卒業。日本歯周病学会会員。 歯周病治療のスペシャリストとして、原因から根本的に改善する治療を心がけています。 患者様のライフスタイルに合わせた、無理のない治療プランをご提案いたします。

歯槽膿漏の原因が気になる方へ

ハギノ歯科では、歯周病の原因を詳しく分析し、患者様一人ひとりに最適な治療プランをご提案しています。
歯ぐきの腫れや出血、口臭など、少しでも気になる症状がございましたら、
お早めにご相談ください。スタッフ一同、心よりお待ちしております。