顎が痛い・口が開けにくいのは顎関節症?(記事アイキャッチ)

顎が痛い・口が開けにくいのは顎関節症?原因の見分け方と受診の目安

「口を大きく開けると顎が痛い」「あくびをしたときに顎でカクッと音が鳴る」「以前より口が開きにくくなった気がする」。 こうした症状で最も多い原因は顎関節症(がくかんせつしょう)です。 ただし、顎が痛いからといって、その原因がいつも顎関節にあるとは限りません。 奥歯の虫歯や親知らずの炎症、噛みしめによる筋肉の疲れなど、まったく別の原因で顎が痛むこともあります。

顎関節症は、多くの場合、生活習慣の見直しや簡単な治療で少しずつ改善していく病気です。 一方で、痛みが強いまま我慢を続けたり、自己流のマッサージで無理に動かしたりすると、かえって症状が長引くこともあります。 大切なのは、今の症状がどのタイプなのかを見分け、必要なタイミングで歯科を受診することです。

「病院に行くほどではない気がして、何年もそのままにしています」というお声を、当院でもよくお聞きします。顎の不調は我慢できてしまうことが多いぶん、受診が遅れやすい症状です。

この記事では、顎関節症の代表的な症状とセルフチェックの方法、顎の痛みの原因を見分けるポイント、 何科を受診すればよいのか、そしてやってはいけないことや歯科医院での検査・治療の流れまでを、歯科医の視点でわかりやすくご説明します。

顎関節症とは?知っておきたい3つの主な症状

顎関節症とは、耳の穴のすぐ前にある顎関節(あごの関節)や、その周囲の咀嚼筋(そしゃくきん:噛むための筋肉)に起こる不調をまとめた呼び名です。 日本顎関節学会では、顎の痛み・関節の雑音・口が開けにくいといった症状が、ほかの病気によるものではないと確認されたときに顎関節症と診断するとされています。

特別に珍しい病気ではなく、程度の軽いものを含めると多くの方が経験するとされています。 とくに20代〜40代の女性に多いことが知られていますが、年齢や性別を問わず起こります。

顎関節はどうやって動いているのか

顎関節は、頭蓋骨側のくぼみ(下顎窩:かがくか)に、下顎の骨の先端(下顎頭:かがくとう)がはまり込む構造をしています。 そして両者の間には、関節円板(かんせつえんばん)という柔らかい組織がクッションとして挟まっています。 口を開けるとき、下顎頭は関節円板と一緒に前へ滑り出すように動きます。

顎関節の構造と動きのイメージ図
顎関節の構造。下顎頭と下顎窩の間に、関節円板がクッションとして入っています。※イラストはイメージ図です(実際の症例写真ではありません)。

この滑らかな動きがうまくいかなくなったり、周りの筋肉が緊張して硬くなったりすると、痛みや音、開けにくさとして症状が現れます。

顎関節症の3つの主な症状

顎関節症の症状は、大きく次の3つに整理できます。3つすべてが揃うとは限らず、どれか1つだけのこともあります。

  1. 顎の痛み(顎関節痛・咀嚼筋痛):口を開け閉めするとき、食事で噛むときに、耳の前やこめかみ、頬のあたりが痛みます。じっとしていても痛む場合もあります。
  2. 顎関節の雑音:口を開けるときに「カクッ」「コリッ」という音(クリック音)や、「ジャリジャリ」という擦れる音が鳴ります。音だけで痛みも開けにくさもない場合は、すぐに治療が必要とは限りません。
  3. 開口障害(口が開けにくい):大きく開けようとすると途中で引っかかる、以前より開く量が減った、あくびがしづらいといった状態です。

このほかに、噛み合わせに違和感が出る、朝起きたときに顎がだるい、頭やこめかみが重いといった症状を伴うこともあります。 耳の近くで起こる症状のため、「耳が痛い」「耳が詰まった感じがする」と感じて耳鼻咽喉科を受診される方も少なくありません。

今の状態を確かめるセルフチェック

ご自宅で確認できる目安をご紹介します。あくまで受診の判断材料であり、診断ではありません。無理に大きく開けようとせず、痛みがあれば途中でやめてください。

指3本で開口量を確かめるセルフチェックのイメージ図
縦に揃えた指が3本入るかどうかが、開口量のおおよその目安です。※イラストはイメージ図です(実際の症例写真ではありません)。
  • 開口量:縦に揃えた人差し指・中指・薬指の3本が、上下の前歯の間に入りますか。入らない場合は、口の開き方が制限されている可能性があります。
  • 痛みの場所:耳の穴のすぐ前を指で押すと痛みますか。頬やこめかみを押したときの痛みは、筋肉が原因の可能性があります。
  • 音の有無:ゆっくり口を開け閉めしたとき、片側だけ音が鳴りませんか。左右で動きに差はありませんか。
  • まっすぐ開くか:鏡を見ながら口を開けたとき、下顎が左右どちらかにずれていきませんか。
  • 朝の状態:起床時に顎がだるい、歯が浮いた感じがする場合は、睡眠中の歯ぎしりや食いしばりが関係していることがあります。

痛みで食事がとりづらい、急に口が開かなくなった、開口量が明らかに減ったという場合は、早めの受診をおすすめします。

顎が痛い=顎関節症とは限りません

顎の痛みを訴えて来院された方を診察すると、原因が顎関節ではなく、歯やその周りの組織にあることがしばしばあります。 原因によって受診すべき場所も対処法も変わるため、まずは大まかな見分け方を知っておくと安心です。

考えられる原因痛みの特徴まず相談する先
顎関節症口の開け閉めや噛むときに、耳の前やこめかみが痛む。音や開けにくさを伴うことがある歯科・歯科口腔外科
虫歯・歯の神経の炎症特定の歯がしみる・ズキズキする。冷たいものや熱いもので悪化し、夜間に強くなることがある歯科
親知らず・歯ぐきの炎症奥歯のさらに奥が腫れて痛む。口が開けにくくなる、飲み込むときに痛むこともある歯科・歯科口腔外科
咀嚼筋の疲労(食いしばり・歯ぎしり)頬やこめかみが重だるい。朝に強く、日中はやや楽になることが多い歯科
耳・副鼻腔などの疾患耳の奥の痛み、耳だれ、発熱、鼻づまりなどを伴う耳鼻咽喉科
神経の痛み・その他顔面に電気が走るような鋭い痛みがある、しびれを伴うなど歯科で相談のうえ、必要に応じて医科へ

虫歯や歯の神経の炎症による痛み

奥歯の虫歯が深く進行して歯の神経(歯髄)にまで炎症が及ぶと、痛みが顎全体やこめかみへ広がったように感じられることがあります。 これは「関連痛」と呼ばれ、痛みの発生源と感じる場所がずれる現象です。「顎が痛い」と思っていた原因が、実は奥歯の虫歯だったというケースは決して珍しくありません。

虫歯は自然に治ることがなく、放置すると神経の炎症から抜歯が必要な状態へ進むことがあります。 詳しくは虫歯を放置するとどうなるのかを解説した記事をご覧ください。 治療の進め方については虫歯治療の流れをまとめた記事もあわせてご参照ください。

親知らず・歯ぐきの炎症による痛み

親知らずの周りに汚れがたまって炎症が起きると(智歯周囲炎)、奥歯のさらに奥が腫れて強く痛みます。 炎症が周囲の筋肉に及ぶと口が開けにくくなるため、顎関節症とよく似た状態に見えることがあります。 発熱やのみ込むときの痛みを伴う場合は、早めの受診が必要です。

歯ぐきの腫れや痛みの見分け方については歯茎の腫れ・痛みの原因を解説した記事で詳しくご説明しています。 親知らずの処置は当院の口腔外科で対応しています。

食いしばり・歯ぎしりによる筋肉の痛み

噛むための筋肉を使いすぎた状態が続くと、関節そのものに問題がなくても顎まわりが痛くなります。 肩こりと同じように、筋肉が緊張し続けて疲労している状態です。朝起きたときに最も強く、日中にかけて和らぐ傾向があります。

食いしばりや歯ぎしりは、歯がしみる原因のひとつにもなります。あわせて知覚過敏の原因と対処法についての記事もご覧ください。

歯科以外の原因が疑われるとき

次のような症状を伴う場合は、歯や顎関節以外の原因が考えられます。歯科を受診いただいた際も、必要と判断すれば適切な診療科をご案内します。

  • 耳の奥の痛み、耳だれ、聞こえにくさを伴う(中耳炎など)
  • 鼻づまり、頬の圧迫感、頭を下げると痛みが増す(副鼻腔炎など)
  • 顔面に走るような鋭い痛みや、しびれを伴う
  • 高熱、顔全体の大きな腫れ、息苦しさを伴う(早急な受診が必要です)

なお、顎から胸や左腕にかけての締めつけられるような痛みが突然起こり、冷や汗や息苦しさを伴う場合は、心臓の病気の可能性があります。この場合はためらわずに救急要請をご検討ください。

顎関節症の主な原因

顎関節症は「これひとつが原因」と特定できることは少なく、いくつかの要因が積み重なって発症すると考えられています。 言い換えると、ひとつずつ要因を減らしていくことで、症状が軽くなっていくことが期待できるということです。

関節円板がずれた状態のイメージ図
関節円板が前方にずれると、口を開けるときに音が鳴ったり、動きが引っかかったりすることがあります。※イラストはイメージ図です(実際の症例写真ではありません)。

歯ぎしり・食いしばり(ブラキシズム)

睡眠中の歯ぎしりや、日中の強い食いしばりは、顎関節と咀嚼筋に大きな負担をかけます。 睡眠中の歯ぎしりはご自身では気づきにくく、ご家族に指摘されて初めてわかることがほとんどです。 歯がすり減っている、歯の詰め物が欠けやすい、頬の内側や舌のふちに歯の跡がついているといったサインが手がかりになります。

歯ぎしり・食いしばりそのものの原因や対策、ナイトガード(マウスピース)については、 歯ぎしり・食いしばりの原因とセルフ対策を解説した記事で詳しくご説明しています。

TCH(歯を接触させ続ける癖)

本来、上下の歯が接触しているのは食事や飲み込みのときだけで、1日の合計はごくわずかとされています。 ところが、パソコン作業やスマートフォンの操作、家事などに集中しているとき、無意識に上下の歯を軽く合わせ続けている方がいます。 これをTCH(歯列接触癖)と呼びます。強く噛みしめていなくても、長時間続けば筋肉は疲れていきます。

TCHは、意識すれば減らせる要因です。顎関節症のセルフケアの中でも、取り組みやすく効果が実感しやすい項目のひとつです。

噛み合わせ・姿勢・生活習慣

噛み合わせのわずかなずれ、頬づえ、いつも同じ側で噛む癖、うつ伏せ寝、長時間の前かがみ姿勢なども、顎への負担を偏らせる要因になります。 また、硬い食べ物を好んで食べる、大きな口を開ける機会が多いといった習慣も影響することがあります。

噛み合わせや歯並びが関係していると考えられる場合は矯正歯科で、 虫歯の治療後に噛み合わせが変わったことが影響している場合は一般歯科で、それぞれ調整を検討します。 ただし、噛み合わせの調整だけで顎関節症が解決するわけではなく、歯を削る処置は元に戻せないため、慎重に判断する必要があります。

ストレス・睡眠の乱れ

精神的な緊張が続くと、無意識のうちに噛みしめが強くなったり、睡眠中の歯ぎしりが増えたりすることが知られています。 繁忙期や環境の変化と症状の悪化が重なる方は少なくありません。 睡眠の質を整えることや、緊張が続いている時間帯に意識して顎の力を抜くことも、立派なセルフケアです。

顎が痛いとき何科を受診すればいい?

結論から申し上げると、顎の痛みや口の開けにくさは、まず「歯科」または「歯科口腔外科」にご相談ください。 顎関節症は歯科が専門としている領域であり、日本口腔外科学会も、あごの関節の音・開口障害・あごの痛みについての相談先として歯科口腔外科を挙げています。

歯科であれば、顎関節そのものの状態に加えて、虫歯・親知らず・歯ぐきの炎症・噛み合わせといった歯科的な原因も同時に確認できます。 「顎関節症だと思っていたら奥歯の虫歯だった」というケースを一度の受診で切り分けられるのは、歯科を最初に選ぶ大きな利点です。

今の症状おすすめの相談先目安
顎が痛い・音が鳴る・口が開けにくい歯科/歯科口腔外科まずはここへ
特定の歯がしみる・ズキズキする歯科早めに受診
親知らずの周りが腫れている・発熱がある歯科/歯科口腔外科できるだけ早く
耳だれ・聞こえにくさ・強い鼻づまりを伴う耳鼻咽喉科そちらを優先
急に口がまったく開かなくなった歯科口腔外科できるだけ早く
顎から胸・左腕への締めつけ感、冷や汗、息苦しさ救急要請を検討ただちに

当院では口腔外科で顎関節症のご相談を承っています。 受診の際は、「いつから」「どこが」「どんなときに」痛むのかをメモしておいていただくと、診断の助けになります。

顎関節症でやってはいけないこと

よかれと思って行ったことが、かえって症状を長引かせてしまうことがあります。 インターネットでは即効性をうたう方法も見かけますが、顎関節症を一瞬で治す方法はありません。 次の点にご注意ください。

  • 無理に大きく口を開ける:「動かして治そう」と力任せに開けると、関節や筋肉をさらに傷めることがあります。痛みが出る手前までにとどめてください。
  • 強い力での自己流マッサージ:顎まわりを強く押したり、関節を鳴らそうとしたりするのは避けてください。マッサージを行う場合は、痛みが出ない範囲でやさしく行い、事前に歯科で相談することをおすすめします。
  • 音を意図的に鳴らす:関節の音が気になって繰り返し鳴らす動作は、関節への負担を増やします。
  • 硬いもの・大きなものを噛み続ける:症状があるあいだは、フランスパンや硬い煎餅、大きなハンバーガーなど、大きく口を開けたり強く噛んだりする食品を控えましょう。
  • 市販のマウスピースを自己判断で使い続ける:お口に合っていないものを使うと、噛み合わせが変化して症状が悪化することがあります。使用前に歯科でご相談ください。
  • 痛みを我慢して放置し続ける:食事がとりにくい状態が続くと栄養面にも影響します。症状が長引くほど、生活習慣の癖も固定化していきます。

放置すると「手遅れ」になるのでしょうか

「顎関節症 手遅れ」という言葉が検索されることがありますが、多くの顎関節症は、放置したからといってすぐに取り返しがつかなくなる病気ではありません。 過度にご不安になる必要はありません。

ただし、痛みをかばって片側だけで噛む状態が長く続くと、噛み合わせや筋肉のバランスが崩れ、症状が複雑になっていくことがあります。 また、口が開かない状態が続くと、治療にかかる期間も長くなりやすくなります。 「手遅れ」を心配するよりも、気になった時点で一度診てもらう方が、結果的に負担が少なくて済みます。

歯科医院での検査と治療の流れ

当院での顎関節症に対する一般的な進め方をご紹介します。症状やお口の状態によって内容は変わります。

1

問診・お困りごとの確認

いつから、どこが、どんなときに痛むのかを詳しくお伺いします。 お仕事や睡眠の状況、食いしばりの自覚、これまでに受けた治療なども、原因を探る大切な手がかりになります。

2

検査

開口量の測定、顎の動き方の観察、関節や筋肉を指で触れての確認を行います。 あわせてお口の中を診察し、虫歯・親知らず・歯ぐきの炎症・噛み合わせなど、ほかに原因がないかを確認します。 必要に応じてレントゲン撮影で骨の状態を確認します。

3

診断・治療方針のご説明

検査の結果をもとに、症状の原因と考えられることをご説明します。 顎関節症以外の原因が見つかった場合は、そちらの治療を優先することもあります。 進め方の選択肢と、それぞれの利点・注意点をお伝えし、ご相談のうえで方針を決めます。

4

治療(セルフケア指導が中心)

多くの場合、まずは顎への負担を減らす生活指導から始めます。 必要に応じて、就寝時に装着するマウスピース(スプリント)の作製、痛みを抑えるお薬、 顎の動きを整える簡単な運動療法などを組み合わせます。外科的な処置が検討されるのは、こうした方法で改善しにくい一部のケースに限られます。

5

経過観察・再評価

数週間ごとに症状の変化を確認し、必要に応じて方針を見直します。 改善が見られない場合や、より専門的な検査・処置が必要と判断した場合には、連携する医療機関をご紹介することもあります。

マウスピース(スプリント)について

就寝時に装着するマウスピースは、歯ぎしりや食いしばりの力を分散させ、顎関節と歯にかかる負担を和らげることを目的としています。 歯ぎしりの治療を目的とする場合、健康保険が適用されます。

一方で、装着し始めの違和感や唾液が増える感じ、まれに噛み合わせの変化が起こることもあるため、定期的な調整と確認が欠かせません。 すべての方に同じように効果が出るわけではなく、症状のタイプによっては別の方法が適していることもあります。 お口に合っていないマウスピースはかえって負担になるため、歯科で作製・調整を受けることをおすすめします。

自宅でできるセルフケアと予防

顎関節症の改善では、歯科での処置と同じくらい、日々の習慣を整えることが大切です。 日本歯科医師会も、生活習慣の見直しが顎への負担を減らすうえで重要であるとしています。 できそうなものから、ひとつずつ試してみてください。

今日から始められること

  • 上下の歯を離す意識を持つ:「歯を離す」と書いた付箋をパソコンやスマートフォンに貼り、目に入るたびに顎の力を抜きましょう。TCH対策として取り組みやすい方法です。
  • やわらかめの食事にする:症状が強い時期は、食材を小さく切る、煮込むなどして、大きく口を開けずに食べられる工夫をしましょう。
  • 左右バランスよく噛む:いつも同じ側で噛む癖があると、負担が偏ります。意識して両側を使いましょう。
  • 温める:筋肉のこわばりが強いときは、蒸しタオルなどで頬のあたりをやさしく温めると楽になることがあります。ただし、腫れや強い炎症があるときは温めずに歯科へご相談ください。
  • 姿勢を見直す:頬づえ、うつ伏せ寝、長時間の前かがみ姿勢を減らしましょう。デスクワークでは1時間に一度、肩と首を動かす休憩を。
  • 大きく口を開ける場面に備える:あくびのときは顎の下に手を添える、歯科治療が長くなるときは途中で休憩を申し出るなど、負担を減らす工夫ができます。
  • 睡眠と休息を確保する:疲れやストレスが溜まると噛みしめが強くなりやすくなります。生活リズムを整えることも顎のケアにつながります。

これらを続けても症状が変わらない、あるいは強くなる場合は、自己判断で続けず歯科へご相談ください。

いなべ市で顎の痛みにお困りの方へ

ハギノ歯科は、三重県いなべ市大安町にある歯科医院です。 顎の痛みや口の開けにくさは、「病院に行くほどではないかもしれない」と感じて受診をためらいがちな症状ですが、 原因を早めにはっきりさせることで、ご自身でできる対策も見えてきます。

当院は口腔外科を含む総合的な診療体制を整えており、 顎関節そのものの状態だけでなく、虫歯・親知らず・歯ぐきの炎症・噛み合わせといった歯科的な原因まで、 一度の受診でまとめて確認できます。「何科に行けばよいかわからない」という方も、まずはご相談ください。 虫歯や噛み合わせの治療が必要な場合は一般歯科で引き続き対応いたします。

いなべ市内はもちろん、東員町・菰野町・四日市市北部など近隣の地域からもお越しいただいています。 痛みや不安を抱えたままにせず、どうぞお気軽にお声がけください。

よくあるご質問

顎の痛みや顎関節症について、患者様からよくいただくご質問とその回答をご紹介します

Q

顎関節症の初期症状はどのようなものですか?

A

初期には、口を開け閉めするときに耳の前でカクッと音が鳴る、あくびや大きな食べ物を食べるときに顎が疲れる、朝起きたときに顎がだるいといった軽い症状から始まることが多くあります。痛みがはっきりせず「気のせいかもしれない」と感じる程度のことも少なくありません。音だけで痛みも開けにくさもない場合は経過を見ることもありますが、症状が続くようであれば一度歯科でご確認ください。

Q

顎関節症になりやすいのはどんな人ですか?

A

睡眠中の歯ぎしりや日中の食いしばりがある方、無意識に上下の歯を接触させ続ける癖(TCH)がある方、頬づえやうつ伏せ寝の習慣がある方、いつも同じ側で噛む方、精神的な緊張が続いている方などは負担がかかりやすいとされています。統計的には20代から40代の女性に多いことが知られていますが、年齢や性別を問わず起こります。

Q

軽度の顎関節症はどうやって治すのですか?

A

軽度の場合は、顎への負担を減らす生活習慣の見直しが治療の中心になります。上下の歯を離すことを意識する、やわらかめの食事にする、大きく口を開ける場面を減らす、姿勢を整えるといった内容です。必要に応じて痛みを抑えるお薬や、就寝時のマウスピース(スプリント)を併用します。多くの方はこうした対応で少しずつ楽になっていきますが、改善の程度には個人差があります。

Q

顎関節症は自然に治りますか?

A

軽い症状であれば、原因となっていた癖や負担がなくなることで自然に和らぐこともあります。ただし、原因となる習慣が続いている場合は再発したり長引いたりしやすくなります。痛みで食事がとりにくい、口が開けにくい状態が続いているという場合は、自然に治るのを待つのではなく歯科でご相談いただくことをおすすめします。

Q

顎関節症を一瞬で治す方法はありますか?

A

残念ながら、顎関節症を一瞬で治す方法はありません。顎関節症は複数の要因が積み重なって起こることが多く、その要因をひとつずつ減らしていくことで、時間をかけて改善していく性質のものです。即効性をうたって関節を無理に動かしたり強く押したりする方法は、かえって症状を悪化させる可能性があるため、おすすめできません。

Q

顎関節症を放置すると手遅れになりますか?

A

多くの顎関節症は、放置したからといってすぐに取り返しがつかなくなる病気ではありませんので、過度にご心配される必要はありません。ただし、痛みをかばって片側だけで噛む状態が長く続くと、噛み合わせや筋肉のバランスが崩れて症状が複雑になることがあります。また、口が開かない状態が長引くほど治療期間も長くなりやすいため、気になった時点で一度診てもらう方が結果的に負担が少なくて済みます。

Q

顎関節症の治療に健康保険は使えますか?

A

顎関節症の検査や診察、歯ぎしりの治療を目的としたマウスピース(スプリント)の作製などは、健康保険の適用対象となります。診察の内容や必要な処置によって費用は変わりますので、受診時に治療方針とあわせてご説明いたします。ご不明な点はお気軽にお尋ねください。

顎の痛みや口の開けにくさでお困りではありませんか?

ハギノ歯科では、顎関節の状態だけでなく、虫歯や親知らず、噛み合わせなど歯科的な原因までまとめて確認いたします。
「何科に行けばよいかわからない」という段階でも構いません。
お電話またはWeb予約フォームから、どうぞお気軽にご相談ください。

まとめ:顎の痛みは原因を見分けることから始まります

顎が痛い、口が開けにくいという症状で最も多い原因は顎関節症です。 代表的な症状は、顎の痛み・関節の雑音・口が開けにくいという3つで、これらが単独で現れることもあります。 まずは開口量や痛む場所をご自身で確認し、今の状態を把握することから始めましょう。

一方で、奥歯の虫歯や親知らずの炎症、噛みしめによる筋肉の疲れなど、顎関節以外の原因で顎が痛むことも少なくありません。 だからこそ、最初に相談する先としては歯科・歯科口腔外科が適しています。 顎関節の状態と歯科的な原因を、一度の受診でまとめて確認できるためです。

顎関節症の治療は、生活習慣の見直しが中心となり、必要に応じてマウスピースやお薬を組み合わせていきます。 時間はかかりますが、要因をひとつずつ減らしていくことで改善が期待できます。 反対に、無理に大きく開ける、強く自己流のマッサージをする、痛みを我慢して放置し続けるといった対応は、症状を長引かせることにつながります。

「これくらいで受診してもよいのだろうか」と迷われる段階が、実はいちばん相談しやすいタイミングです。 顎の不調が気になりましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

萩野 貴俊 副院長

この記事の監修者

ハギノ歯科 副院長
萩野 貴俊

愛知学院大学歯学部卒業。三重県いなべ市のハギノ歯科にて、一般歯科から口腔外科まで幅広く診療にあたっています。 顎の痛みは原因が分かりにくく、ご不安を抱えたまま過ごされている方が多い症状です。 お一人おひとりのお話をよくお伺いし、分かりやすいご説明を心がけています。

参考にした情報

  • 一般社団法人 日本顎関節学会「顎関節症とは」
  • 公益社団法人 日本口腔外科学会「あごの関節の音がする/口が開かなくなった/あごが痛い」
  • 公益社団法人 日本歯科医師会「テーマパーク8020 顎関節症」